森林生態・森林施業2

雪国の森林づくり

スギ造林の現状と広葉樹の活用


雪国の森林づくり
豪雪地帯林業技術開発協議会 編
A5判 200>ペー>ジ 並製
ISBN978-4-88965-122-5 C3061
品切(絶版)
奥付の初版発行年月:2000年12月
書店発売日:2000年12月15日

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内容紹介

雪と調和した新しい森林づくりに向けて、最新の技術と知見を紹介した手引書です。スギ不成績造林地の解消に向けて、豊富な現地データをもとに具体的な対処法を示しました。 

目次

序 章(小谷二郎)
 雪国の生活と森林の関わり—最近の変化
 研究の現状—人工林から天然生広葉樹へ
 豪雪協の活動とその成果
 出版の目的と主な内容
第1章 雪が森林に与える影響(前田雄一)
 1 我が国の気候風土と森林
  1.1 森林に恵まれた国
  1.2 変化に富んだ日本の森林
  1.3 日本海側と太平洋側との違い
  1.4 ブナ林の構成種の違い
 2 雪  害
  2.1 造林樹種の自然分布と造林面積
  2.2 雪圧害と冠雪害
  2.3 雪圧害の種類
   2.3.1 根元曲がり
   2.3.2 折損被害
  2.4 雪圧と雪質
   2.4.1 沈降圧
   2.4.2 雪質と沈降圧
   2.4.3 斜面の雪圧
第2章 雪国の森林—その成立過程と現在の課題(箕口秀夫)
 1 雪国の森林を形成してきた要因
  1.1 寒冷化と乾燥化
  1.2 温暖化により雪国の森林が成立
 2 雪国の森林と生活・文化
  2.1 森林が生み出した食料
  2.2 森林に支えられた生活
  2.3 森林との決別
 3 森林と人間—その関係の変遷
  3.1 最初の危機—古代の森林伐採
  3.2 2度目の危機—近世における森林利用の増大
  3.3 伐採規制と人工造林
  3.4 進む二次林化
  3.5 ブナ林の減少とその影響
  3.6 雪国における人工造林の先駆例
 4 雪国の森林の現状
  4.1 戦後復興造林
  4.2 針葉樹一斉拡大造林
  4.3 第3の危機—人工林の管理不足と多様な機能の喪失
第3章 雪国における成林予測と造林限界(小野瀬浩司)
 1 積雪環境とスギ人工林の成林予測
  1.1 積雪環境と成林率
  1.2 積雪環境の推定方法
   1.2.1 最深積雪深の推定
   1.2.2 根雪日数の推定
  1.3 成林予測
 2 スギ人工林の造林限界
  2.1 積雪地帯区分
  2.2 従来の造林限界の曖昧さ
  2.3 不成績造林地への基本的な対処方法
第4章 不成績造林地の現状と問題点(横井秀一)
 1 不成績造林地とは
  1.1 不成績造林地の特徴
  1.2 不成績造林地の問題点
  1.3 解決を迫られる2つの課題
 2 不成績造林地の実態
  2.1 不成績造林地の多様なタイプ
  2.2 広葉樹が混交する造林地
   2.2.1 どんな広葉樹が生えているのか
   2.2.2 広葉樹の生育のしかた
   2.2.3 広葉樹の成長と林の姿
  2.3 広葉樹が生えない造林地
  2.4 様々なタイプが混在している造林地
  2.5 針広混交、広葉樹林化する造林地
 3 不成績造林地の誘導目標
第5章 不成績造林地の取り扱い(長谷川幹夫)
 1 不成績造林地から針広混交林へ
  1.1 侵入広葉樹の利用
  1.2 広葉樹を除伐することの問題点
 2 スギ−広葉樹混交林の育成方法
  2.1 調査地—長棟の概要
  2.2 侵入広葉樹の更新特性
  2.3 広葉樹が侵入する時期
  2.4 下刈り、除伐を行う際の留意点
  2.5 初期成長と成長速度
  2.6 耐陰性と生育空間の関係
  2.7 複層混交林への誘導方法
  2.8 目標林型を変えるときの施業指針
  2.9 侵入広葉樹がない場合
第6章(終章) 雪国の多様な森林施業(小谷二郎)
 各章のポイント
 雪との調和—雪国の森林のあり方—

前書きなど

豪雪地帯林業技術開発協議会(以下「豪雪協」と略す)は1970年10月に,雪と森林・林業に関する研究を共同で行うことを目的に結成されたグループである。参加会員数は結成当時は5県であったが現在では14府県にまでなっている。
 このたび豪雪協は,若手の研究者が寄り集い世に本を送り出すことになった。時あたかも新たなミレニアムを迎え,豪雪協結成30周年の節目にあたる。豪雪協はこれまでも機関誌および図書を発行してきており,結成15周年の節目には『雪に強い森林の育て方』(日本林業調査会,1984)を送り出している。今や,研究活動によって得た知識を単に一遍の学術論文としてまとめるだけでなく,その知識や既往の個別技術を統合し,組み立てて世に問うことが研究者に求められる時代を迎えるに至っている。日頃の成果をまとめ,社会に還元するという普及啓蒙活動が重要であることはいうまでもない。かねてより豪雪協はそのことを先取りし活動してきた。その健全な営みを高く評価したい。
 本書は,雪国におけるこれまでの拡大造林を検証し,21世紀へ向けての森林のあり方を提言したものである。林業現場で活躍される技術者や林家はもちろんのこと,広く一般の方々が読まれることをお薦めする。
                          2000年12月
森林総合研究所育林技術科長
小野寺 弘道