基礎・入門書2

森林政策学


森林政策学
堺 正紘 編著
B5 330>ペー>ジ 並製
ISBN978-4-88965-147-8 C3061
品切
奥付の初版発行年月:2004年04月
書店発売日:2004年04月04日

コピーサービス

個人の方がご自身>の研究目的などに限定して閲覧を希望される場合に限り、コピーサービス(>当方でコピーし、簡易製本して郵送)をご利用いただけます。お申し込みは、書籍全 体、または目次の見出し単位でお願い致します。なお、一部書籍につきましては、都 合により、ご利用いただけない場合がございますので、ご了承ください。
 ご利用料金は、1ページにつき20円と簡易製本代600円が目安となります(税・送>料別)が、判型等によって若干異なりますので、事前にお見積もりが必要の場合はお 申し出下さい。お届けは、お申し込み日から7〜10日程度です。ご希望の方は、下記 リンク先ページをご参照の上、お申し込みください。

コピーサービス >>


内容紹介

「林政」から「森林政策」へ、拡大・多様化する行政課題を25名の研究・実務者が徹底解説。全国の大学で使われている標準テキスト。入門・参考書としても好適。テーマ別演習問題付き。

目次

第1章 森 林…堺 正紘(九州大学大学院農学研究院) 17
 第1節 森林の定義・概念 17
 第2節 森林の歴史 18
 第3節 世界の森林、日本の森林 19
  1 世界の森林 19
  2 日本の森林 21
  3 日本の森林資源の現状 22
 第4節 問題点と方向 23

第2章 森林政策学の概念…堺 正紘(九州大学大学院農学研究院) 25
 第1節 森林政策の体系 25
  1 森林政策の目標 25
  2 森林政策の体系  25
 第2節 森林政策に関する諸法 27
 第3節 森林政策の主体と手段 28
  1 森林政策の主体 28
  2 森林政策の手段 29
 第4節 森林政策学と関連諸学 30
  1 林政学との関係 30
  2 森林政策学と関連科学 31
  3 森林政策学の分化 31

第3章 自然環境問題と環境保護政策…北尾 邦伸(島根大学生物資源科学部) 33
 第1節 意義と概念 33
 第2節 自然環境問題の所在と対処の歴史的展開 34
  1 公  害 34
  2 環境への負荷 35
  3 自然資源の持続不可能で非更新的な開発 36
  4 自然保護をめぐって 37
 第3節 わが国の環境保護政策 38
  1 理念及び政策体系 38
  2 循環及び共生 41
  3 参加及び国際的取組み 42
 第4節 問題点と方向 43

第4章 日本における森林政策の推移…遠藤 日雄(鹿児島大学農学部) 47
 第1節 意義と概念 47
 第2節 森林法を基軸とした森林政策の展開(1897〜1963年) 47
  1 第1次森林法の制定(1897年制定、1898年施行) 47
  2 第2次森林法の制定(1907年制定、1908年施行) 48
  3 第3次森林法の制定(1951年制定、同年施行) 49
  4 この時期の政策の特徴 49
 第3節 林業基本法、森林法並立時代(1964〜2001年) 50
  1 林業基本法の制定 50
  2 林業基本法と森林法の関係 51
  3 地域林業政策 52
  4 流域管理システム 54
 第4節 森林・林業基本法、森林法並立時代(2001年以降) 56
  1 「林政改革大綱」の考え方 56
  2 森林・林業基本法の概要 57
  3 森林計画制度の見直し 58
 第5節 まとめ 58

第5章 諸外国の森林政策…石井 寛(北海道大学大学院農学研究科) 61
 第1節 意義と概念 61
 第2節 フランスの森林政策の展開 61
 第3節 ドイツの森林政策の展開 66
 第4節 スウェーデンの森林政策の展開 69
 第5節 今後の課題 72

第6章 森林資源管理と森林計画制度…笠原 義人(宇都宮大学農学部) 75
 第1節 意義と概念 75
 第2節 森林資源管理の歴史的展開 76
  1 戦前期 76
  2 1950〜60年代 77
  3 1980〜90年代 78
  4 2000年代 80
 第3節 森林計画制度の体系 81
 第4節 問題点と方向 83

第7章 保安林制度…三井 昭二(三重大学生物資源学部) 87
 第1節 保安林の意義と概念 87
 第2節 保安林制度の歴史的展開 87
 第3節 保安林制度の内容 92
  1 指定と解除 92
  2 施業等の制限 93
  3 損失補償と優遇措置 93
  4 保安施設地区 94
 第4節 保安林制度の問題点と方向 94
  1 森林・林業基本法と「保安林林業」の可能性 94 
  2 保安林解除と開発の問題 95

第8章 治山・治水政策…小川 滋(九州大学大学院農学研究院) 97
 第1節 意義と概念 97
 第2節 歴史的展開 97
 第3節 治山・治水の基本理念と公的関与の現状 99
 第4節 問題点と方向 101

第9章 自然環境の保護・保全…大田 伊久雄(愛媛大学農学部) 103
 第1節 意義と概念 103
 第2節 わが国における自然環境保護・保全の歴史 103
 第3節 自然環境の保護・保全に関する法律 105
  1 自然公園法 105
  2 自然環境保全法 108
  3 保安林制度と保護林制度 109
  4 環境基本法と環境影響評価法 110
 第4節 わが国が批准している自然保護に関する国際条約 111
  1 世界遺産条約 111
  2 ラムサール条約 112
  3 ワシントン条約 112
  4 生物の多様性に関する条約 113
 第5節 今後の課題 113

第10章 民有林造林政策…井口 隆史(島根大学生物資源科学部) 117
 第1節 意義と概念 117
 第2節 造林政策の内容 117
  1 補助制度 117
  2 融資制度 117
  3 分収林制度 118
 第3節 第2次世界大戦前の造林政策 118
 第4節 第2次世界大戦後の造林政策 120
  1 荒廃森林の復旧期(1945年〜55年) 120
  2 拡大造林推進期(1956年〜72年) 121
  3 保育重視と集団化・計画化・組織化推進期(1973年〜87年) 124
  4 森林整備の多様化と流域林業推進期(1987年〜96年) 126
  5 環境と公益的機能への傾斜期(1997年〜) 127
 第5節 問題点と方向 129
  1 問題点 129
  2 今後の方向 130

第11章 林道対策…岡田 秀二(岩手大学農学部) 131
 第1節 林道の役割と対策の意義 131
 第2節 林道整備と政策展開略史 132
  1 明治・大正期 132
  2 戦前昭和期 132
  3 1945〜1954年代 133
  4 高度成長期 134
  5 低成長期以降 134
 第3節 林道計画と補助事業の体系 136
  1 林道対策の新たな考え方 136
  2 林道事業の体系 138
 第4節 林道区分と路網密度理論の変更 141

第12章 林業種苗対策…田島 正啓(林木育種センター) 145
 第1節 意義と概念 145
 第2節 明治期以前の林業種苗 145
 第3節 林業種苗政策 146
  1 林業種苗政策の必要性 146
  2 林業種苗法 146
  3 広葉樹などの林業種苗 149
 第4節 問題点と方向 150

第13章 森林病虫害対策…吉田 成章(森林総合研究所九州支所) 153
 第1節 定義及び対策の在り方 153
  1 森林病虫害の概念 153
  2 根拠法令(森林病害虫等防除法) 153
  3 森林病害虫対策の基礎 154
 第2節 対策技術と政策及びその評価 155
  1 対策技術と政策 155
  2 森林病害虫対策における政策評価 156
 第3節 病虫害対策としてのマツ材線虫病の事例 156
  1 マツ材線虫病(松くい虫) 156
  2 マツ材線虫病の生態系位置づけ 157
  3 マツ材線虫病防除の基本的考え方  158
  4 保全するマツ林の選定 158
  5 保全マツ林の維持 159

第14章 野生動物の保護と管理…飯田 繁(九州大学大学院農学研究院) 165
 第1節 野生鳥獣と土地所有権 165
  1 野生動物の法的位置 165
  2 土地所有権と野生動物 165
 第2節 野生動物をめぐる5つの問題 166
  1 絶滅の危惧種 166
  2 ペットと野生動物 166
  3 移入種(外来種)と野生動物 167
  4 特定動物の頭数管理 169
  5 都市に移動する野生動物 169
 第3節 野生動物を管理するしくみ 169
  1 自然のシステム 169
  2 鳥獣保護法 169
  3 その他の制度 170
 第4節 動物相の変化 171
  1 鳥の数の激減 171
  2 小型動物の激減と大型動物の増加 173
 第5節 問題点と今後の方向 174
  1 科学的な政策の立案 174
  2 中山間地農業と密着した鳥と小型動物 174
  3 大型動物の管理に対する人間の役割 174
  4 人間社会との関係を見据えた対策 175

第15章 山村対策…野口 俊邦(信州大学農学部) 177
 第1節 山村とは何か 177
 第2節 山村問題の展開 179
 第3節 山村の現状 180
  1 産業基盤崩壊の危機 181
  2 山村社会崩壊の危機 182
 第4節 山村振興対策及び過疎対策の実施状況 183
 第5節 山村振興の課題 184
  1 なぜ、「山村問題」は改善されなかったのか 184
  2 山村振興の基本方向 186

第16章 国有林野事業…辻 健治(林野庁国有林野部) 189
 第1節 意義と概念 189
 第2節 国有林野事業の歴史的展開 189
  1 国有林の成立 189
  2 国有林の成立から第2次世界大戦まで 190
  3 林政統一から経営改善計画策定前まで 191
  4 国有林野事業改善計画の策定 193
 第3節 国有林野事業の現状と今後の方向 194
  1 国有林野事業の抜本的改革 194
  2 抜本的改革の現状 196
  3 国有林野事業の今後の方向 198

第17章 林業経営構造の確立…餅田 治之(筑波大学農林学系) 201
 第1節 意義と概念 201
 第2節 林業政策から見た国有林・公有林・私有林経営の確立と展開 202
  1 近代的土地所有の確立と国有林経営の開始 202
  2 公有林経営の確立 203
  3 私有林経営の展開 203
 第3節 戦時体制期から戦後にけての林政と林業経営 204
  1 戦時体制期における林業経営構造の改変 204
  2 戦後林政と林業経営構造 205
 第4節 林業経営構造の改善 206
  1 構造政策の登場とその背景 206
  2 基本問題調査会による林業の構造把握と構造政策の主張 207
  3 構造政策の意義 208
 第5節 今日の林業経営を巡る状況と政策 208

第18章 森林組合対策…泉 英二(愛媛大学農学部) 211
 第1節 意義と概念 211
 第2節 歴史的展開 212
  1 前  史 213
  2 1907年森林法における森林組合 214
  3 1939年森林法における森林組合 215
  4 1951年森林法における森林組合 215
  5 1960年代初頭の森林組合の位置づけ 216
  6 その後の森林組合をめぐる動向 217
 第3節 現状・問題点と今後の方向 218
  1 「森林・林業基本法」と森林組合 218
  2 現  状 218
  3 今後の方向性について 219
 (補論)その他の林業事業体 220

第19章 森林政策の財政支出…石崎 涼子(森林総合研究所林業経営・政策研究領域) 223
 第1節 意義と概念 223
 第2節 歴史的展開 223
  1 公共事業の形成 223
  2 林業構造改善事業と市町村 225
  3 公共事業の変容 226
  4 公共投資の膨張と地方分権 227
 第3節 財政支出の構造 229
  1 財政支出の概況 229
  2 林野庁関係一般会計予算 230
  3 公共事業 230
  4 林野庁関係の補助金 231
  5 都道府県林業費 232
  6 市町村林業費の特徴 233
  7 地方財政措置による地方単独事業の支援 234
 第4節 森林政策の財政支出を巡る問題 234

第20章 木材産業対策…川田 勲(高知大学農学部) 239
 第1節 意義と概念 239
 第2節 木材産業の実態と木材産業対策 240
  1 紙・パルプ産業 240
  2 合板産業 241
  3 製材産業と集成材 243
 第3節 木材流通構造 247
  1 製品流通の展開 247
  2 木材流通構造の変化 249
  3 今後の課題 249

第21章 木材貿易と森林認証制度…荒谷 明日児(新潟大学農学部) 253
 第1節 木材貿易 253
  1 意義と概念 253
  2 第2次大戦後の木材輸入 254
  3 問題点と方向 264
 第2節 森林認証制度 265
  1 意義と概念 265
  2 森林認証制度が生まれた歴史的背景 265
  3 さまざまな森林認証制度 266
  4 問題点と方向 268

第22章 住宅問題と木材の利用促進…菊間 満(山形大学農学部) 271
 第1節 意義と概念 271
 第2節 歴史的展開—第2次世界大戦後の住宅政策と木造住宅供給 272
  1 戦後の意義 272
  2 戦後の戸建て・持ち家主義の展開 273
 第3節 木造住宅市場と環境問題 277
  1 住宅市場の構造—地域住宅市場と全国市場 277
  2 住宅供給の地域性と地方自治体規模 279
 第4節 問題の所在と解決の方向
     —国民の住宅・居住に対する要求とハビタット宣言 281
  1 問題の所在 281
  2 解決の方向  283

第23章 特用林産物対策…佐藤 宣子(九州大学大学院農学研究院) 289
 第1節 特用林産物の定義と振興策の意義 289
 第2節 需給構造の変化と生産・流通問題の所在 290
  1 生産量及び生産額の動向 290
  2 シイタケの需給構造の変化 291
  3 森林利用型特用林産物の生産停滞と森林資源問題 293
 第3節 特用林産物対策の展開と内容 294
  1 生産拡大期における施策の展開(1980年代前半まで) 294
  2 生産停滞、輸入急増期における施策の展開(1980年代後半〜) 295
  3 生シイタケの緊急輸入制限措置の発動とその後の対策 296
 第4節 問題点と方向 297

第24章 林業技術の開発と普及…堀 靖人(森林総合研究所林業経営・政策研究領域) 301
 第1節 林業の普及指導と林業技術の開発の意義と概念 301
 第2節 歴史的展開 302
  1 戦前の林業普及と技術の開発 302
  2 林業普及指導事業の発足とその後の展開 303
 第3節 林業普及指導事業の現状 306
  1 林業普及指導事業の目的と役割 306
  2 林業普及指導事業の仕組みと組織 306
  3 普及指導活動の内容 308
 第4節 問題点と方向 309

第25章 森林レクリエーションと森林教育…仲間 勇栄(琉球大学農学部) 313
 第1節 森林レクリエーション 313
 第2節 森林教育 317

第26章 エコシステムマネジメント…柿澤 宏昭(北海道大学大学院農学研究科) 323
 第1節 意義と概念 323
 第2節 エコシステムマネジメントの登場 323
  1 なぜエコシステムマネジメントなのか? 323
  2 エコシステムマネジメントの展開 325
 第3節 エコシステムマネジメントの内容 327
  1 エコシステムマネジメントとは何か 327
  2 エコシステムマネジメント実行の仕組みをどうつくるのか 328
  3 事例から見るエコシステムマネジメント 329
 第4節 問題点と方向性 332

前書きなど

 地球上の資源は無限ではない。そのような中で人類が生存し続けるためには、大量生産大量廃棄型社会から資源循環型社会への転換が不可欠である。そのため、森林についても持続可能な森林経営の推進により、再生可能な木材の安定供給と森林の多面的機能の高度発揮とを同時に実現することが重要な課題となっている。
 このような森林・林業の政策にかかわる分野はこれまで「林政学」と言われてきたが、本書ではこれを「森林政策学」とした。人々の森林への見方が、経済財である林産物の生産機能から環境機能や文化機能などの非市場財へウェイトが移り、それを受けて政策の基調にも変化が生じ、大学における教育・研究にも守備範囲の変更が求められているからである。大学の専門課程の科目名も(一部を除き)すでに林政学から森林政策学に変更されているのである。
 本書は、このような森林・林業の政策分野に関する諸問題について、大学生や大学院生、さらには国・都道府県・市町村等の行政担当者等のために、包括的、体系的に述べることを企図したものである。
 本書の執筆者は、現段階のトップクラスの森林政策研究者である。それぞれ独自の学説を打ち立て、森林・林業の実態と展望について広い見識と深い洞察力を有している。編集に当たってこのような斯学の権威から全面的なご協力を得られたことに、編者として心から感謝している。