森林・林業・木材産業の将来予測

データ・理論・シミュレーション


森林・林業・木材産業の将来予測
森林総合研究所 編
A5判 464ページ 並製
ISBN978-4-88965-167-6 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年12月
書店発売日:2006年12月22日

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内容紹介

20年後を睨んだシナリオを描き出す注目の書。2007年2月22日重版(第2刷)出来! (社)日本図書館協会選定図書。

目次

プロローグ 3

第1部 世界の森林資源と林産物市場 15
 第1章 世界の森林資源と丸太生産 17
1.はじめに 19
2.世界の森林資源 19
(1)FAOによる森林資源統計 19/(2)世界の森林面積とその変化 21/(3)世界の森林蓄積量および成長量とその変化 23/(4)世界の人工林面積とその拡大 26
3.世界の丸太生産の動向 28
(1)産業用材生産 28/(2)燃料材生産 30
4.地域別森林資源と林産物需給の長期予測 31
(1)ヨーロッパ 31/(2)北  米 32/(3)中南米カリブ海地域 33/(4)アジア太平洋地域および西・中央アジア地域 34/(5)アフリカ 34
5.まとめ 35
 第2章 世界の林産物需給の将来予測 39
1.はじめに 41
2.世界の林産物需給と世界モデルの発展 41
(1)林産物需給の過去の動向 41/(2)森林セクターにおける世界モデル開発の歴史と現有モデルの特徴 45
3.WFPMの基本データ・構造・諸係数の推定 46
(1)モデルを構成する地域単位 46/(2)データセット 47/(3)資源変動にかかわる諸係数等の推定 48/(4)林産物需給構造と弾性値の推定 49
4.推定された需給構造を反映したWFPM 54
(1)モデル構造の概略 54/(2)モデルの方程式 56
5.シミュレーション結果 61
6.まとめと考察 67

第2部 日本の木材産業と林産物需給 73
 第3章 日本の木材需給 75
1.概  観 77
2.建築材料市場 80
(1)製材品 80/(2)合  板  82/(3)集成材 84/(4)住宅市場の動向 86/(5)住宅産業の生産構造 87/(6)住宅建築業者における工法や部材の選択 89
3.紙製品市場 91
(1)パルプ  91/(2)紙・板紙 92
4.展  望 95
 第4章 日本の木材工業 99
1.概  観 101
2.製材業 103
3.合板製造業 105
4.集成材製造業 108
5.紙パルプ製造業 111
6.展  望 113
 第5章 林産物輸入と輸出国の動向 117
1.はじめに 119
2.林産物需給の仕組み 119
3.林産物輸入にかかわる国内外の制度・政策的動向 121
4.輸入の推移 126
(1)概  要 126/(2)価格の推移 127/(3)南洋材 129/(4)北米材 131/(5)北洋材 132/(6)ニュージーランド材とチリ材 133/(7)欧州、その他 134/(8)木材チップ 135
5.おわりに−林産物貿易構造に影響する要因− 136
  第6章 木材需給の将来予測 139
1.はじめに 141
2.木材需給モデル 142
(1)方  法 142/(2)用いるデータ 145/(3)推定結果 148
3.2020年の木材需給シミュレーション 152
(1)シナリオの作成 153/(2)シミュレーション結果 154
4.おわりに 158

第3部 日本の森林資源と林業生産 161
 第7章 森林資源と伐採・更新の動向 163
1.はじめに 165
2.森林面積とその変動 165
(1)森林面積の歴史と現在 165/(2)人工林面積の拡大 166/(3)樹種別面積の最近の変化 167/(4)齢級別面積の変動 169
3.森林の蓄積量、成長量と伐採量 170
(1)蓄積量と成長量 170/(2)過去の人工林齢級別伐採率と樹種別伐採率 172/(3)成長量、自然枯死量と伐採量の長期的な関係 174
4.将来の方向性 175
(1)個別経営の論理と全国的な伐採計画 175/(2)再造林について 178/(3)まとめ 183
第8章 日本の林家の動向 187
1.はじめに 189
2.森林、林業における林家の位置づけ 190
3.林家の山林作業の実施状況と内実 193
4.林家による森林施業委託と森林組合 196
5.私有林の経営、管理の展望と課題 200
第9章 森林所有権移転の実態—高知県— 205
1.はじめに 207
2.森林所有者の行動様式と立木価格 207
(1) 森林所有者の行動様式の整理 207/(2)立木価格の動向と森林所有者の手取り収入 208
3.高知県嶺北・吾北地域における立木の土地付売買 210
(1)売買の実態 210/(2)買取素材生産業者の性格と売買林地のその後 217
4.土地付売買のメカニズム 220
第10章 森林所有権移転の実態—北海道— 227
1.はじめに 229
2.研究の方法 230
3.再造林放棄の実態 230
4.森林売買の実態 231
5.まとめ 237
第11章 素材生産費・労働生産性の将来予測 239
1.はじめに 241
2.資料説明 241
3.時系列で見る林業作業者の変化 242
(1)搬出距離、林齢に関する分析 243/(2)集材システムと労働生産性 246
4.素材生産費および労働生産性についての将来予測 251
第12章 森林資源の将来予測 251
1.はじめに 253
2.林齢別森林面積評価システム(FADAS)で用いたデータ 255
(1)森林の齢級別伐採面積 255/(2)齢級別のhaあたり蓄積 255/(3)所有形態・樹種別素材生産量 256/(4)林地開発と気象災害 256
3.FADASにおける計算の流れ 257
(1)民有林サブモデルの設定 260/(2)国有林サブモデルの設定 266
4.シミュレーションの結果 268
(1)シミュレーションのシナリオ 268/(2)シミュレーション結果 269
5.まとめ 277

第4部 日本の山村人口と林業労働力 281
第13章 山村研究からみた人口動態変動要因 283
1.はじめに 285
2.高度経済成長と過疎化プロセス:1960〜1972年 285
3.低成長期と地方の時代:1973〜85年 286
4.グローバル経済と「新たな過疎」:1985年〜91年 288
5.バブル崩壊後の構造不況と地方分権:1992年〜 289
6.おわりに 291
第14章 山村の人口動態 299
1.はじめに 301
2.山村人口動態の特徴 301
3.山村人口動態の地域ブロック特性 303
4.地域ブロックごとの山村人口動向 303
5.山村・都市間の所要時間と山村人口 306
6.山村人口の高齢化 307
7.山村人口に関する新たな動き 309
8.おわりに 310
第15章 山村人口の将来推計と地域特性 313
1.はじめに 315
2.将来推計の方法:コーホート変化率法の説明 315
3.山村地域におけるコーホート変化率の特徴 317
4.山村人口の将来推計結果 319
5.振興山村人口の特徴の変化 323
6.山村人口変動の分類方法 324
7.山村人口変動の分類結果とその地理的分布 327
8.まとめ 330 
第16章 林業労働への参入と退出の動向 335
1.はじめに 337
2.先行研究のレビュー 338
3.時系列でみる林業作業者の変化 340
4.地方別にみる林業作業者数の変化 342
5.まとめ 346
第17章 林業作業者数の将来予測 349
1.研究の目的と背景 351
(1)はじめに 351/(2)日本の総人口減少 351/(3)地方別の人口変動 352
2.全国林業作業者数の将来推計 353
3.地方別林業作業者数の将来推計 354
4.林業作業者数の減少を止めるための参入者数 357
5.まとめ 359

第5部 日本林業の将来ビジョン 363
第18章 林業セクターの長期動態予測 365
1.はじめに 369
2.システムダイナミクスとは 369
3.林業セクターモデルの構造 371
(1)林業セクターの基本的な仕組み 371/(2)各サブセクターの内容補足 373
4.結果と考察 380
(1)国産素材需要量が2003年以降、一定(2002年値=1,692万m3)で推移するケース1 380/(2)国産素材需要量が森林・林業基本計画目標の2010年2,500万m3を経て、2030年3,300万m3へと拡大するケース2 383/(3)考  察 385
第19章 森林セクターの国民経済への貢献 389
1.はじめに 391
2.産業連関分析とは 394
3.日本およびオーストリアの産業連関表 395
4.産出構造、最終需要構造の2国間比較 398
5.波及構造の2国間比較 401
6.まとめ 405
第20章 日本林業の将来を考える 409
1.世界の森林資源と林産物需給 411
2.日本の木材産業と林産物需給 413
3.日本の森林資源と林業生産 417
4.日本の山村人口と林業労働力 420
5.日本林業の将来方向と課題 422

補 章 森林・林業・木材産業の統計 429

エピローグ 453
執筆者紹介 459
編集後記 463

前書きなど

・「プロローグ」から
 独立行政法人森林総合研究所では、林業経営・政策研究領域が中心となり、2003年に「森林・林業の資源的、社会経済的長期見通し手法の開発」という交付金プロジェクトを立ち上げ、2020年を射程に入れて森林資源、林業、木材産業、山村の長期見通しを描く研究を3年間にわたり行ってきた。2005年度までに一定の研究成果をとりまとめることができたので、ここに公刊図書として成果を世に問うこととした。
 この研究プロジェクトの企画立案に当たり、次のことが念頭におかれていた。まず、グローバル化している経済環境に対応した政策展開を図るために、世界及びわが国の森林・林業・木材産業の動向を的確に把握し、世界レベルから地域レベルに至るまで広範な条件を踏まえた将来予測情報を持つ必要があることである。また、森林・林業と森林政策に対して広く国民の理解と支援を得ていくためにも、森林・林業・木材産業を巡る状況変化を具体的イメージのもとに、よりわかりやすく提示していく必要があることである。そして、20年後の将来像を見通すために、現在の与えられた諸条件と想定される技術変化に基づき、森林・林業・木材産業、さらには山村を巡る状況が、長期的にどのような推移を辿るかに関する推計手法を開発し、少なくとも2020年までを射程に入れたシナリオにより見通しをつけることである。
独立行政法人森林総合研究所
理事長 大熊幹章

・「エピローグ」から
 本書は長期見通し手法という視点から言っても興味深い。まず、世界林産物需給モデルWFPM、森林資源変動モデルFADASの新規の開発が挙げられよう。また、従来から行われてきたわが国の木材市場の将来予測モデルや山村人口動態分析、林業労働者に関するコーホート分析、林業セクター・システムダイナミクスモデルといった手慣れた手法の改善なども研究の水準の高さを雄弁に物語っている。
 さらに手法というだけでなく、得られた推計も、それ自体として意義深く、また政策への利用という意味でも価値が高い。本書におさめられた研究は日本の数量的な森林・林業分析の上で金字塔的存在になったと言ってよいだろう。今後の研究を行う者が必ず意識していくことになるだろう著作である。
東京大学大学院
教授 永田  信