トチノキの自然史とトチノミの食文化


トチノキの自然史とトチノミの食文化
谷口真吾, 和田稜三
A5判 290ページ 上製
ISBN978-4-88965-178-2 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年02月
書店発売日:2008年02月15日

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定価:2,857円(税込3,086円)

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内容紹介

日本の代表的な有用広葉樹であるトチノキの自然史とトチノミの食文化に関する研究成果を、林学と文化地理学の両面から集大成した貴重な1冊。地域社会の再生につながる貴重なデータ等も満載!

目次

はじめに  谷口真吾・和田稜三 3
序  論  谷口真吾・和田稜三 13

1 トチノキ  その自然史 19
第1章 世界と日本のトチノキ 谷口真吾 21
 1.トチノキの学名の由来と植物学上の分類 23
 2.トチノキの和名の由来や語源 24
 3.トチノキ科の分布 25
 4.トチノキ属の分布 25
 5.トチノキの主な種の特徴 26
  (1)トチノキ 26/(2)ウラゲトチノキ 26/(3)シナトチノキ 27/(4)インドトチノキ 27/(5)アカバナトチノキ 27/(6)セイヨウトチノキ 28/(7)ベニバナトチノキ 29
 6.トチノキの種としての特性 29
 7.日本国内におけるトチノキの分布と生育地 30
 8.トチノキの種の歴史 32
 9.トチノキ林の成立と人為の影響 33
 10.トチノキ林の構成種 33
第2章 トチノキの特性 谷口真吾 35
 1.トチノキの樹種特性 37
 2.トチノキの成長特性 37
 3.トチノキが生育する立地特性 39
 4.トチノキの形態的な特徴 40
  (1)樹皮 40/(2)冬芽 41/(3)枝 42/(4)葉 42/(5)花 43/(6)果実 44/(7)材 45
 5.トチノキの利用面での特徴と人間との関わり 46
 6.日本の林業情勢とトチノキ 49
第3章 トチノキの生活史 谷口真吾 53
 1.トチノキの雌雄性 56
 2.トチノキの花芽分化 58
 3.トチノキの開花結実 68
 4.トチノキの受粉・受精 76
 5.トチノキの種子形成と生産量 86
 6.トチノキの結実年齢と豊凶性 97
 7.トチノキの受粉と果実の成熟過程における落果現象 102
  (1)虫害 115/(2)胚珠の発育不全 115/(3)種子内組織の崩壊 116/(4)胚の発育不全 116
 8.トチノキの種子生産の年変動が生じるメカニズム 122
第4章 トチノキ林をつくる 谷口真吾 131
 1.トチノキ種子の採取と調製 133
 2.トチノキ種子の貯蔵法 133
 3.種子の発芽と発芽促進法 134
 4.トチノキの繁殖法と増殖 135
 5.トチノキの播種と育苗 137
 6.種子の発芽と実生の初期成長 139
 7.実生稚樹の成長 139
 8.実生稚樹の死亡要因 140
 9.成長に関するフェノロジー 140
 10.トチノキの成長とトチノキ林の発達過程 141
 11.トチノキの立地による成長の差異 142
 12.トチノキの病虫害 142
第5章 トチノキ林を守り、育てる 谷口真吾 145
 1.トチノキ人工造林の造林成績 147
 2.トチノキの人工造林による用材生産林の造成 148
 3.トチノキの人工造林による種子生産林の造成 149
  (1)開花率 153/(2)開花した花序の着生パターン 153/(3)花序の性比と結果率 155/(4)花序サイズ、花序における着花の分布範囲 157
 4.トチノキの天然下種更新 159
第1章から第5章までのまとめ 谷口真吾 161
第1章から第5章までの引用文献 谷口真吾 163

2 トチノミ  その食文化 171
第6章 縄文時代から食べられてきたトチノミ 和田稜三 173
 1.縄文遺跡から出土するトチノミ 175
  (1)トチノミ遺体の分布 175/(2)トチノミを食料とした時期 182/(3)トチノミ遺体からみた地域差 183
 2.古文書にみるトチノミの加工食品 185
  (1)鈴木牧之『秋山記行』 185/(2)館柳湾『荒年充糧志』 186
 3.トチノミの加工食品と分布 188
  (1)加工食品の三形態 188/(2)トチノミ食の分布 188/(3)縄文型トチノミ加工食品 190
第7章 トチノミの採集と加工の事例 和田稜三 193
 1.トチノミの伝統的な採集慣行 195
  (1)東北日本の事例 195/(2)西南日本の事例 202
 2.トチノミの加工事例 203
  (1)東北日本の事例 203/(2)西南日本の事例 209
第8章 トチノミ食の文化的な特色と地域差 和田稜三 217
 1.伝統的な採集・加工・貯蔵方法 219
  (1)採集慣行 219/(2)複雑な加工技術と加工系列のタイプ 224/(3)アク抜き技術とその分布・形態 231
 2.皮むき具の形態と分布、地域差、その展開 238
  (1)多様な皮むき具とその展開 238/(2)岐阜県におけるトチムキの呼称・分布・変遷 244
 3.トチノミ食からみた地域差と山村の再生 252
  (1)東北日本 253/(2)西南日本 257
第6章から第8章までのまとめ 和田稜三 261
第6章から第8章までの引用文献 和田稜三 265

図表一覧 271
索引 277
あとがき 謝辞とともに  谷口真吾・和田稜三 283
著者紹介  谷口真吾・和田稜三 289

前書きなど

はじめに
 本書は、日本の代表的な有用広葉樹として、特に樹実(種子)、花(花蜜)、樹皮、材などの林産物の生産が期待されるトチノキを対象とする研究成果を書き記したものである。内容は、トチノキの自然史に関する部分(第1章〜第5章)と、トチノミの食文化に関する部分(第6章〜第8章)に関する部分とからなっている。
 トチノキの自然史に関しては、トチノキを果実(樹実)および花蜜生産の特用樹として位置づけるために、トチノキの生殖生理ならびに生殖生態を明らかにすることを目的にした。
 また、トチノミの食文化に関する研究からは、縄文文化と弥生文化を基層とする日本文化の実像が見えてくる。それは、日本列島の多様で豊かな森林生態系に適応してきた日本人の歴史そのものでもある。トチノミの食文化を描くという作業は、まるで日本列島を舞台に展開してきた山棲みの人々の物語を記述することに似ている。そして、将来の山村にとって、ひとつの光明を与えることにもなるのではないかと考えている。

担当から一言

日本の代表的な有用広葉樹であるトチノキの自然史とトチノミの食文化に関する研究成果を、林学と文化地理学の両面から集大成した貴重な1冊。地域社会の再生につながる貴重なデータ等も満載!