現代森林政策学


現代森林政策学
遠藤 日雄 編著
B5 272>ペー>ジ 並製
ISBN978-4-88965-179-9 C0061
品切(絶版)
奥付の初版発行年月:2008年03月
書店発売日:2008年03月17日

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内容紹介

全国の大学で使われている標準テキストの最新改訂版。気鋭の執筆陣18名が最新テーマを懇切に解説。入門・参考書としても好適。

目次

はじめに—「現代森林政策学」が目指すもの— 遠藤日雄  3

第1章 世界と日本の森林・林業  永田 信  21
第1節 世界の森林の姿  21
1.世界の気候区分  21
2.熱帯林と亜熱帯林の特徴  21
3.亜寒帯針葉樹林の特徴  22
4.温帯林の特徴  22
第2節 世界の森林の状況  23
1.森林資源調査の難しさ  23
2.世界の森林の現況  23
3.進む熱帯林の減少  25
4.熱帯林減少の原因  26
5.国有化と経済発展のあり方に問題  27
第3節 日本の森林の姿  27
1.日本の気候区分  27
2.人工林と天然林  28
3.国有林と民有林  28
第4節 日本の森林の問題  29
1.木材の需給:低い国内自給率  29
2.森林の林齢分布と林業就労者の年齢分布  30
3.森林の危機とは何か  31

第2章 世界の森林政策  柿澤宏昭  33
第1節 なぜ世界の森林政策を学ぶのか  33
第2節 森林政策の枠組みと転換の方向性  34
1.森林政策は誰がどのように行っているのか  34
(1) 国・州が森林政策に責任を持つ  34
(2) 森林政策と他の関連政策分野の関係  34
2.森林政策転換の方向性  35
(1) 転換の方向性と規定する要因  35
(2) 政策転換の具体的事例  36
第3節 森林政策転換の具体的内容  37
1.森林政策の環境対応  37
2.分権化・参加の保障  40
3.行政改革への対応  41
4.国有林・州有林経営の改革  42
第4節 まとめ  43

第3章 日本の森林政策  遠藤日雄  47
第1節 意義と概念  47
第2節 森林法を中心とした森林政策の展開  47
1.明治前期の森林政策 47
2.明治後期〜第2次世界大戦期  48
(1)第1次森林法の制定  48
(2)第2次森林法の制定  49
3.第2次世界大戦後(第3次森林法制定まで)  50
4.小括  50
第3節 森林法および林業基本法並立による森林政策の展開  51
1.林業基本法の制定  51
2.林業基本法と森林法の関係  52
3.地域林業政策  53
4.流域管理システム  54
第4節 森林法および森林・林業基本法並立による森林政策の展開  56
1.「林政改革大綱」の考え方  56
2.森林・林業基本法の概要  57
3.森林計画制度の見直し  58
4.新しい森林・林業基本計画の策定  58
第5節 まとめ  59

第4章 森林政策の財政支出  石崎涼子  63
第1節 意義と概念  63
第2節 歴史的展開  64
1.林野公共事業の形成  64
2.公共投資の拡大と地方自治体  65
(1)林業構造改善事業と市町村  65
(2) 国の歳出抑制下の公共投資拡大  66
(3)公共投資の膨張と地方財政措置  67
3.地方分権改革と財政縮小  68
(1)地方分権改革と森林政策  68
(2)森林政策にかかわる財政縮小  68
第3節 財政支出の構造  69
1.財政支出の特徴  69
2.国による財政支出  69
(1)林野庁関係一般会計予算  69
(2)公共事業  69
(3)林野庁関係の補助金  70
(4)森林・山村に係る地方財政措置  72
3.都道府県による財政支出  72
(1)林業費の歳入・歳出構成  72
(2)森林環境税  73
4.市町村による財政支出  74
(1)林業費の歳入・歳出構成  74
(2)市町村合併と森林政策  75
第4節 森林政策の財政支出を巡る問題  75

第5章 地域再生  岡田秀二  79
第1節 転換期の山村と地域再生の論理  79
1.2つの山村の重層構造  79
2.農山村持続の意義と近代化過程  80
3.農山村地域研究の現代性  80
第2節 山村の現状と問題点  81
1.山村地域とは  81
2.山村地域の動向と現状−過疎地のデータ分析から−  83
3.現代山村問題  85
第3節 農山村政策の展開と特徴  86
1.山村振興法による対策  86
2.過疎対策の展開と新たな動き  88
3.中山間地域等直接支払制度の現代性  90
第4節 現代的地域活性化への動き  91
1.「ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」  91
2.ゼロ分のイチ村おこし運動−鳥取県智頭町  92
3.エコ・フォレスティングの実現をめざして  93

第6章 森林計画と森林施業  白石則彦  95
第1節 森林計画制度  95
1.森林計画の意義  95
2.森林計画制度の歴史的展開  95
3.森林計画制度の体系  98
第2節 森林機能と森林施業  99
1.制度における森林機能の位置づけ  99
2.国際的取り組みと森林機能  102
3.森林施業の課題  104
第3節 森林計画の目指す方向  105
1.国レベルの方向性  105
2.地域レベル、計画レベルの方向性  105

第7章 保安林、治山・治水政策  矢部三雄  107
第1節 保安林制度  107
1.意義と概念  107
2.保安林種別の指定状況  107
3.保安林制度の沿革  108
4.保安林の特徴  109
5.指定施業要件  110
6.監督処分  111
(1)中止命令  111
(2)造林命令  111
(3)復旧命令  111
(4)植栽命令  111
7.保安林の指定の解除  112
第2節 治山・治水政策  113
1.意義と概念  113
2.治山事業の歴史的展開  114
3.治山事業計画  115
4.治山事業の枠組み  115
5.森林・林業基本計画と治山事業  116
6.地球温暖化と山地災害  117
第8章 民有林の造林・林道政策  藤澤秀夫  119
第1節 助成制度上の造林事業と林道事業との関係  119
第2節 予定調和論と造林・林道助成  120
1.明治林政以後の森林管理に関する基本理念  120
2.予定調和論  120
第3節 助成にかかわる経済的根拠  122
1.社会的間接資本としての森林  122
2.造林・林道投資の阻害要因克服策としての助成  122
第4節 助成にかかわる法的根拠  123
1.森林・林業基本法  123
(1)森林に対する基本理念と国の責務  123
(2)財政上の措置等公的支援  124
2.森林法  124
(1)公共事業と森林法  124
(2)造林・林道計画と森林計画制度および森林整備事業計画制度との関係  124
(3)森林法第193条  125
3.地方財政法  125
4.農林漁業金融公庫法  126
第5節 公共事業と森林資源政策および林業政策の関係  127
1.公共事業と森林資源政策  127
2.公共事業と林業政策  128
第6節 造林・林道政策にかかわる今日的課題  129
1.林業問題  129
2.林業問題克服に向けての1試案  130
3.経営体と助成のあり方  130

第9章 自然環境保護  大田伊久雄  133
第1節 意義と概念  133
第2節 日本における自然環境保護の歴史  134
第3節 自然環境保護に関する国内法  135
1.自然公園法  135
2.自然環境保全法  137
3.保安林制度と保護林制度  139
4.環境基本法と環境影響評価法  140
5.その他の法律と施策  141
第4節 日本が批准している自然環境保護に関する国際条約  141
1.世界遺産条約  142
2.ラムサール条約  142
3.ワシントン条約  142
4.生物の多様性に関する条約  143
第5節 今後の課題  143

第10章 野生生物との共存  亀澤玲治  147
第1節 日本における野生生物の生息・生育状況  147
1.日本における生物相の概観  147
2.日本の生物多様性をめぐる状況  148
(1)第1の危機  148
(2)第2の危機  150
(3)第3の危機  150
3.生物種の現状  150
4.主な哺乳類の生息状況と農林業被害  152
第2節 野生生物の保護と管理のための仕組み  159
1.絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律  159
2.鳥獣の保護および狩猟の適正化に関する法律  159
3.特定外来生物による生態系等にかかる被害の防止に関する法律  160
第3節 野生生物との共存に向けた課題  161
1.里地里山の保全と鳥獣害に強い地域づくり  161
2.トキの野生復帰の実現など希少な野生生物との共存  162
3.在来生物の国内移動や非意図的に導入される生物への対応  163

第11章 国有林  福田隆政  165
はじめに  165
第1節 国有林経営の展開(戦前期)  165
1.国有林の成立  165
2.第二次世界大戦まで  165
(1) 国有林野特別経営事業の実施  165
(2)保護林の設置  166
(3)救農および戦時対策の実施  166
第2節 国有林野事業の展開(戦後期)  167
1.林政統一から経営改善計画策定前まで  167
(1)林政統一と企業特別会計の創設  167
(2)治山事業の推進と保安林の整備  167
(3) 生産力増強計画および木材増産計画の策定  167
2.国有林野事業の経営改善  169
(1)経営改善への取り組み  169
(2)レクリエーション需要や自然保護への対応  169
第3節 国有林野事業の抜本的改革  170
1.抜本的改革の枠組み  170
(1) 改革への道のり  170
(2) 抜本的改革の枠組み  172
2.抜本的改革の推進とその成果  172
第4節 国有林野事業の今後の方向  174
1.行財政改革での国有林野事業  174
2.国有林の現代的意義  176
おわりに  178

第12章 林業事業体  辻 潔  179
第1節 林業事業体の定義  179
第2節 林業事業体の存在意義  180
第3節 林業事業体(素材生産業者)数の推移  180
第4節 林業事業体の現状  181
第5節 林業事業体の課題と新たな可能性  182

第13章 森林組合  岩川尚美  187
第1節 はじめに(森林組合の役割)  187
1.地球温暖化防止対策と森林整備  187
2.森林組合の役割と森林整備事業  187
3.基本法林政と森林組合活動  188
第2節 森林組合の制度と歴史  188
1.森林組合の誕生と制度の変遷  188
2.戦後民主化政策と森林組合制度の改正  189
3.森林組合法の制定と背景・経緯  190
4.森林組合制度の概要と特色  190
5.森林組合法の改正  191
6.基本法林政の展開と変遷  191
第3節 森林組合の組織状況  192
1.組合数、組合員数、所属森林面積、出資金、役・職員数  192
2.組合合併の推進と組合数の減少  193
3.森林組合作業班の推移と現状  193
4.生産森林組合の制度と活動概要  193
5.都道府県連合会と全国連合会  194
第4節 森林組合の事業活動  194
1.森林組合事業の種類と必須事業  194
2.事業実績と森林整備事業の展開  195
3.素材生産事業と素材市売り共販事業の展開  196
4.都道府県連合会と全国連合会の事業活動  196
第5節 森林組合の役割・課題と森林・林業政策の展開  196
1.森林組合の経営と課題  196
2.森林組合の改革に向けた取り組み  197
3.森林組合活動21世紀ビジョン2ndステージの展開  197
4.まとめとして(政策的な役割と活動) 197

第14章 木材産業と住宅  山田壽夫  199
はじめに  199
第1節 日本における木材需給の推移と木材産業の現状  199
1.木材需給の推移  199
2.木材産業の現状  200
 (1)製材工場  200
 (2)合板工場  200
 (3)集成材工場  200
3.木材価格  201
 (1)価格の推移  201
 (2)スギ1m3当たりの価格の構成  201
4.住宅資材のニーズの変化  201
第2節 林野行政における住宅政策の位置づけ  203
1.所掌する行政分野  203
2.「住生活基本法」の成立と木材利用の促進  204
第3節 森林・林業基本法の目指している木材産業の将来像  204
1.1964年成立の林業基本法との違い  204
2.「林業構造改善事業」から「林業・木材産業構造改革事業」への展開  204
3.「森林・林業基本法」における木材産業の展開方向  206
(1) 基本的な考え方  206
(2) 「大量消費の市場に向けた取り組み」の推進  206
(3) 「関係者の連携に向けた取り組み」の推進  207
(4) 主な個別分野での推進方向  207
4.「新流通・加工システム」の検討と推進  209
5.「新生産システム」の検討と推進  210
6.2006年改訂の「森林・林業基本法」における木材産業の展開方向  212
おわりに  212

第15章 木材貿易と森林認証制度  荒谷明日兒  215
第1節 持続可能な森林経営による木材生産・貿易構造の変化  215
1.地球環境問題と持続可能な森林経営  215
2.天然林材利用から人工林材利用へ  216
3.高次加工製品化と性能化  216
第2節 日本における木材輸入構造の変化  217
1.輸入製品の多様化と輸入相手国の多元化  217
2.貿易グローバル化の中での日本市場  219
第3節 違法伐採問題とそれへの対応  220
1.違法伐採の現状  220
2.違法伐採に対する世界の対応  220
第4節 森林認証制度と世界の動き  221
第5節 森林認証と違法伐採対策  223
1.森林認証の動き  223
2.日本における違法伐採対策  224
第6節 まとめ  225

第16章 地球温暖化と森林・林業  小林紀之  227
第1節 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)   227
1.IPCCの役割  227
2.IPCC第4次評価報告書の概要  227
第2節 気候変動枠組条約と京都議定書  228
1.気候変動に関する国際的な取り組みの経緯  228
2.気候変動枠組条約の概要  228
3.京都議定書の概要  229
 (1)京都議定書の主要点  229
 (2)「京都議定書」の問題点  230
 (3)京都メカニズムの概要  230
第3節 京都議定書、IPCCと森林吸収源  230
1.「京都議定書」での森林吸収源の位置づけ  230
2.「京都議定書」での森林吸収源関連の定義  231
3.IPCC評価報告書での森林・木材の評価  232
第4節 日本の森林吸収源対策  232
1.日本の「京都議定書」目標達成計画  232
2.日本の森林吸収源に関する政策  232
3.日本の森林吸収量算定方法と吸収量  233
 (1)森林吸収量の算定方法  233
 (2)日本の森林の吸収量  234
 (3)2005年度の温室効果ガス排出量、吸収量  234
4.地方自治体による森林吸収源に対する新たな取り組み  235
第5節 「ポスト京都」の国際的取り組み  235
1.「京都議定書」の将来枠組み  235
 (1)「京都議定書」の継続か新たな枠組みか  235
 (2)国際交渉のプロセス  235
2.G8ハイリゲンダムサミット首脳宣言の要点  236
3.COP13での議論と主な決定事項  236
4.「ポスト京都」国際交渉の主な論点  237
 (1)米国と途上国の排出削減義務への参加  237
 (2)削減目標値、基準年  237
 (3)京都メカニズム  237
5.森林関連分野の「ポスト京都」の課題  238
 (1)途上国の森林減少・劣化抑制策(REDD)  238
 (2)伐採木材問題  238

第17章 海外林業協力  小澤普照  241
第1節 日本の海外林業協力の軌跡  241
1.海外森林造成のモニュメント  241
(1) 本格的海外林業協力の第一歩  241
(2)本格的林業協力以前の海外資源への日本の関心  241
(3)森林資源についての国際的な関心  242
2.海外協力についての日本の動き(国際協力事業団の設立)  243
第2節 海外協力の主な形態と林業協力  243
(1)二国間技術協力  243
(2)無償資金協力  245
(3)有償資金協力  245
(4)国際機関等を通じた協力  245
(5)森林・林業政策としての林業協力  245
(6) 青年海外協力隊とシニア海外ボランティア  246
第3節 他国の途上国に対する林業支援と日本の立場  246
1.諸外国の政府開発援助  246
2.中国に対する諸外国の林業支援の動き  247
3.日本の林業協力の意義  247
第4節 日本の海外林業協力の課題と今後の方向  247
1.林業協力の諸課題  247
2.林業協力の今後の方向  248
(1) 地球サミットを経て持続の時代へ  248
(2) 援助から真の協力への道のり  250
(3) 人材育成と交流  250
(4) モデルフォレスト運動にみる地域協働とネットワーク  251

第18章 林業普及制度  関岡東生  255
第1節 林業普及制度の意義と概念  255
1.林業普及制度の概要  255
2.林業普及制度に関わる根拠法の整備  256
第2節 日本における林業普及制度の展開過程  256
1.林業普及制度の発足  256
2.林業経営指導員との職務統合と集合駐在制  258
3.林業基本法の制定と林業普及制度  259
4.基本法林政の破綻と林業普及事業  260
5.1990年代の林業普及制度  261
第3節 現在の林業普及制度  263
第4節 新たな展開への対応  265

執筆者紹介  269

前書きなど

 本書は主として森林政策学を学ぶ学生・院生向けに編まれた教科書である。これまでの類書を通観すると、島田錦蔵著『林政学』(1948年)、甲斐原一朗著『林業政策論』(1955年)、林業教育研究会編『林業政策』(1968年)、塩谷勉著『林政学』(1973年)、岸根卓郎著『森林政策学—林業政策システムの設計』(1975年)、筒井迪夫編『林政学』(1983年)、半田良一編『林政学』(1990年)、堺正紘編著『森林政策学』(2004年)などのように、いずれも講義科目のみの題名で、「最新」とか「近代」などという冠がついていない。
 では、本書の場合、敢えて「現代」という冠をつけたのはなぜか。その問いかけは森林政策策定の前提となる事実認識、すなわち、「現代の森林・林業・木材産業をどうみるか」という設問と密接な関係をもつ。「現代」のイメージを要約すれば、グローバル市場競争の中で日本の森林をどのように管理(経営)していくのか、また、これを通じて世界の森林環境問題にどのように寄与していけるのか、ということになろう。したがって、本書はそれを考える場合の教科書という位置づけになる。(遠藤日雄・鹿児島大学教授)

担当から一言

全国の大学で使われている標準テキストの最新改訂版。気鋭の執筆陣18名が最新テーマを懇切に解説。入門・参考書としても好適。