森林社会学への道


森林社会学への道
三井 昭二
A5判 460>ペー>ジ 上製
ISBN978-4-88965-202-4 C0061
品切(絶版)
奥付の初版発行年月:2010年06月
書店発売日:2010年06月25日

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内容紹介

森林コモンズ、山村…失ってきたものの中に再生の鍵がある! 森林と人間のかかわりを根源から見つめ直す1冊。

目次

はしがき  3

第1部 森林コモンズの歴史と可能性  15
第1章 森林からみるコモンズと流域―その歴史と現代的展望―  17
 1.森林政策と利用・所有の展開段階  18
 2.日本における森林利用・所有の変遷とコモンズ、流域  22
 3.森林をめぐる新しい「コモンズ」「流域社会」の胎動  34
第2章 森林管理主体における伝統と近代の地平  40
 1.森林管理をとりまく状況の変化  40
 2.大規模林業経営における伝統と近代  42
 3.伝統的森林コモンズの衰退と変容  45
 4.新しい森林コモンズの胎動  48
 5.森林管理政策の転換と課題  52
第3章 森林保全のための上下流協力と自治機構  59
 1.林政・森林管理と森林保全  59
 2.森林をめぐる上下流協力の展開  63
 3.鳥取県日野川流域における上下流協力の動向  67
 4.森林・流域保全と自治機構のあり方  71
第4章 入会林野の歴史的意義とコモンズの再生  77
 1.入会林野とムラ社会  78
 2.入会林野の衰退過程  81
 3.市民による森林へのアプローチと「コモンズの再生」  84
補 章 村人たちの約束事―里山の掟  91

第2部 林業労働の変容と可能性  93
第1章 都市・山村関係からみる林業労働力の新しい動向と意義  95
 1.都市住民に期待されている森林・山村  95
 2.林業労働力の新しい動向と史的観点からの類型化  96
 3.脱近代的林業労働の意味と都市・山村関係の舞台としての森林  101
第2章 戦後型林業労働の展開・解体と新たな動向  108
 1.はじめに  108
 2.「組」論の展開と「組」の変容・解体過程  109
 3.「半農型」労働力の展開・解体過程  111
 4.労働条件の改善と非農家労働力の参入  113
 5.おわりに  116
第3章 林業労働者と新規参入―減少の深化と高齢化の終焉―  119
 1.林業労働力をめぐる動向  119
 2.林業専業労働者の減少と雇われ先の変容  124
 3.森林組合作業班の動向  134
 4.新規参入の構造変化  136
第4章 民有林労働の新たな展開と可能性  143
 1.はじめに  143
 2.労働力の減少・高齢化と若手の増加  143
 3.新規就業者の就業パターン  144
4.新規就業者の生活と意識  145
5.新しい林業労働の模索  146
6.新規就業者の定着のために  147
7.新規就業者研修への助成制度  148
8.おわりに  150
第5章 林業労働者集落の変容と流出者の意識―三重県海山町K集落の事例―  152
  1.はじめに  152
  2.K集落における森林所有集積の概観  153
  3.K集落の変容と住民の生活・意識  155
  4.K集落からの流出者の生活と意識  159
  5.おわりに  162

第3部 林業と林政の歴史  165
第1章 山村のくらし  167
 1.山村社会にとって近現代とは何か  167
 2.衣食住のうつりかわり  168
 3.生業・産業のうつりかわり  171
 4.森林所有制度と山村の人びと  180
 5.山村に未来はあるか  186
第2章 近代のなかの森と国家と民衆  189
 1.はじめに  189
 2.国有林の成立と民衆  190
 3.国有林経営の確立と民衆  194
 4.御料林と民衆  198
 5.むすびにかえて  201
第3章 戦前・戦時の日本林業と林政―戦後への遺産と教訓―  203
 1.はじめに  203
 2.昭和戦前期の林業と林政  204
 3.戦時期の林業と林政  206
 4.戦後への遺産  210
 5.おわりに  211

第4部 戦前期の輸移入材問題と日本林業  213
第1章 戦前と戦後の外材インパクト  215
 1.戦前にもあった外材インパクト  215
 2.戦前の輸移入材はなぜ増え減ったか  216
 3.忘れたころにやってきた外材インパクト  218
 4.木材工業はかわる  219
 5.木材流通もかわる  221
 6.国内林業は圧迫される  222
第2章 明治期の木材輸移入動向と内地市場  225
 1.輸出超過の森林国  225
 2.国内林業開発の進展  225
 3.東京市場への木材供給地の変化  227
 4.軍艦用材に早くから使われた外材  228
 5.用途を拡大した外材  229
 6.インパクトの前兆をみせはじめた外材  231
 7.日本商社の外材輸入化  232
第3章 第1次世界大戦・関東大震災と輸移入材の激増  233
 1.第1次大戦による木材需要の急増  233
 2.木材供給の不足と価格の暴騰  234
 3.木材資源危機論の台頭  235
 4.公有林野における資源政策の強化  236
 5.木材関税の引下げと米材輸入の増加  237
 6.樺太森林開発の進展と虫害の大発生  239
 7.関東大震災の勃発と政府の復旧事業  240
 8.震災後の動向  241
第4章 木材関税抗争と林業補助金制度の確立  243
 1.慢性不況と経済・社会政策の概観  243
 2.木材価格の暴落と関税抗争の発生  244
 3.大正後期の林業補助制度  245
 4.木材関税抗争の本格化  247
 5.木材関税抗争の天王山  248
 6.木材自給のための造林補助制度  249
 7.関税引上げの波及と「樺太林政改革」  250
第5章 慢性不況と外材インパクトにゆれる日本林業  253
 1.港湾製材の発展  253
 2.内地材製材地への影響  254
 3.木材流通の近代化  255
 4.日本林業の苦境  256
 5.山村の窮迫  257
 6.林野所有の「中規模肥大化」  258
7.林業における合理化の進展  259
 8.製材・林業労働者運動の組織化  260
第6章 恐慌からの離脱と内地材生産の増加  263
 1.恐慌離脱による木材需要の増加  263
 2.輸移入材の減少による価格高騰  263
 3.木材関税抗争の展開とその意味  265
 4.港湾製材・内地パルプ工場の動揺  266
 5.内地材生産の増加と中小林家の増伐  268
 6.内地材価格の上昇と山元製材工場の復活  269
 7.林業補助制度の体系化と救農土木事業  270
 8.山村経済更生計画と林業  271
 9.東北国有林問題と山村労働力の流出  272
第7章 戦時における内地材生産の激増と木材統制  275
 1.木材需要と林業生産の推移  275
 2.戦時木材統制の開始  276
 3.戦時木材統制の確立と崩壊  277
 4.民有林施業案制度の確立  278
 5.戦時森林組合制度の確立  279
 6.森林組合の発展と林材統合論  280
 7.木材・薪炭増産のための林業補助制度  282
 8.東京市場と三井物産の動向  283
 9.林業・山村をめぐる動向  284

第5部 森林・林業政策の可能性  287
第1章 環境と暮らしをつなぐ森林・林業政策を求めて  289
 1.林業と自然保護  289
 2.環境と暮らしの共有関係  290
 3.森林・林業政策のあり方  291
第2章 森林の現代的役割と都市・山村交流の可能性  293
 1.世界史のなかの森林利用  293
 2.世界の森林・林業をめぐる新しい流れ  295
 3.自然保護ブームと林業・山村の衰退  296
 4.里山ブームと都市・山村交流の胎動  297
 5.21世紀の森林・山村がめざすもの―里山ブームに続くもの―  299
第3章 日本林業の苦境と「環境社会林業」のデッサン  303
 1.はじめに  303
 2.森林・林業をめぐる日本と世界の動き  304
 3.日本林業と経済性  305
 4.「環境社会林業」とは  307
 5.「環境社会林業」における森林の位置づけ  309
 6.「環境社会林業」における個人の位置づけ  310
 7.「環境社会林業」における共同体と市民社会  311
 8.おわりに  312
第4章 山村社会の現状と対策の方向性  314
 1.はじめに  314
 2.高齢化と少子化への対応  315
 3.「混合社会化」への対応  318
 4.土建業にかわる仕事の創出  319
 5.山村・都市交流の深化  320
 6.集落・市町村・市町村連合の役割  322
 7.森林・林業における直接所得補償  323
 8.おわりに  324
第5章 林業・林政の現状と今後のすがた  326
 1.林政の転換と林業基本法の改正  326
 2.林業不況による森林荒廃と林業の再生  327
 3.循環・共生型社会の要としての「森林業」  328
 4.林政における地方分権化と住民・市民参加  329
第6章 林業・林産業の振興と発展のために  332
 1.林業基本法の改正と「循環型社会」  332
 2.地産地消のすすめ  333
 3.林業・林産業による循環型社会構築のために  335

初出一覧  337

前書きなど

●「はしがき」から
本書のタイトルに「森林社会」をかぶせたのは、およそ20年前の『《森林社会学》宣言』(有斐閣刊)との出会いに理由がある。同書は1989年に出版され、私も第8章「近代のなかの森と国家と民衆」を執筆する機会を与えていただいた。《森林社会学》宣言は、森林と人間との関係について、それまでの自然保護活動とは異なり、「森と社会の共生を求め」て新しい時代を画するものであった。
同書が出てから5年後、私は三重大学に職を得たが、着任した研究室がたまたま当時では全国で唯一の「森林社会学研究室」であった。それから数年間、私は水を得た魚のように、「森林社会学」の構築をめざして書きまくった。本書で収録した作品もその時期のものが多く、ここで中間総括として取りまとめた。
2010年6月 三井 昭二

担当から一言

森林コモンズ、山村…失ってきたものの中に再生の鍵がある! 森林と人間のかかわりを根源から見つめ直す1冊。