森と木と人のつながりを考える

 

森林における野生生物の保護管理

藤森 隆郎(著) / 由井 正敏(著) / 石井 信夫(著)

B5判  256ページ 並製
定価 3,666円 (本体価格 3,333円)
ISBN978-4-88965-101-0 C3061
絶版

奥付の初版発行年月 1999年03月
書店発売日 1999年03月01日

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紹介

林業・と野生生物保護の両立に向けた最新の知見を解説。1994年刊の「林業と野生鳥獣との共存に向けて」を全面改訂、両生類・爬虫類、昆虫なども加えて内容を大幅に拡充しました。3刷。

目次

第1章 野生生物と人間
 1.森林管理をめぐる最近の動向(藤森隆郎)
 2.生物多様性の価値(藤森隆郎)
 3.森林の機能区分と管理(藤森隆郎)
 4.野生生物の保護と人間生活(由井正敏)
 5.日本の森林における野生生物に関する諸問題(由井正敏)

第2章 森林生態系と野生生物
 第1節 日本の森林生態系
 1.森林生態系の概念(藤森隆郎)
 2.日本の動植物相(藤森隆郎)
 第2節 森林に依存する野生生物
 1.哺乳類(石井信夫)
 2.鳥 類(東条一史)
 3.両生類・爬虫類・昆虫類(戸田光彦・草野保・林文男)
 4.植 物(垰田宏)

第3章 野生生物の保護管理
 第1節 野生生物との共存
 1.保護管理に関わる基本概念(石井信夫)
 2.共存のための森林管理(由井正敏)
 3.共存のための地域区分(由井正敏・石井信夫)
 第2節 保護管理の方法
 1.哺乳類の保護管理(石井信夫)
 2.鳥類の保護管理(由井正敏)
 3.重要な小動物の保護管理
 4.絶滅危惧植物と植物群落の保護管理(垰田宏)

第4章 保護管理の取り組み
 第1節 保護の取り組み
 1.森林行政の中での野生生物の保護管理(林野庁計画課)
 2.国有林における野生生物の保護管理(林野庁経営企画課)
 3.環境行政の中での野生生物の保護(環境庁野生生物課)
 4.国際組織、民間団体の取り組み(環境庁野生生物課)
 第2節 森林被害の防止
 1.鳥獣の保護管理行政(環境庁野生生物課)
 2.森林被害の防除制度と被害防止対策(林野庁森林保護対策室)

資料編
 1.レッドリスト(レッドデータブック)一覧
 2.原生自然環境保全地域及び自然環境補選地域
 3.国立公園及び国定公園
 4.天然記念物種指定鳥獣

前書きなど

 1992年にブラジルで開催された国連環境開発会議(地球サミット)を契機にして、地球環境問題への関心が高まるとともに、野生生物の保護、生物多様性の保全と言った観点から、森林資源の利用や管理のあり方が問題視されるようになってきた。
 特に、狭い島国に多様な野生生物が生息する日本においては、近年の森林開発で絶滅のおそれが危惧される種が多くなる一方、農林業被害を起こし、その取り扱いが苦慮される種も増えてきている。
 このため、本書では、前版にあたる『林業と野生鳥獣との共存に向けて』(由井正敏・石井信夫共著、日本林業調査会、1994年)で示された知見に新たな研究成果を加えて、森林地帯に生息する野生生物(哺乳類、鳥類、両生・爬虫類、昆虫、植物)の適切な保護管理のあり方を検討し、できる限りわかりやすく解説することを心がけた。
 第1章では、国内外における生物多様性の現状と、その保全に向けた取り組みを、森林に重点を置いて解説した。第2章では、日本の森林生態系について概説するとともに、そこに生息する主要な野生生物と森林との関わりをまとめた。そして、第3章では、野生生物と人との共存に向けた保護管理の基本的な考え方と方法を提示するとともに、保護管理上特に重要と考えられる種をとりあげ、その生息に配慮した森林の取り扱い方等を解説した。また、第4章では、森林性の野生生物を保護管理するために国が講じている施策・制度等を解説した。
 野生生物に配慮した森林管理法を検討し、これに基づいた森林施業を行っていく上で、本書が多少なりとも貢献できれば幸いである。
 なお、本書中の鳥獣類の図は佐野裕彦氏の手になるものである。また、林野庁森林技術総合研修所には、本書の企画段階から有益なご提言等をいただくとともに、関係資料の収集、原稿のチェック等でもご協力いただいた。日本林業調査会には、編集・出版の労をとっていただいた。以上の方々に厚く御礼申し上げたい。

1999年3月 編著者

著者プロフィール

藤森 隆郎(フジモリ タカロウ)
由井 正敏(ユイ マサトシ)
石井 信夫(イシイ ノブオ)

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上記内容は本書刊行時のものです。

3,666円
(本体価格 3,333円)

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