森と木と人のつながりを考える

 

新訂 地球温暖化と森林ビジネス
「地球益」をめざして

小林 紀之(著)

A5変型判  232ページ 並製
定価 2,096円 (本体価格 1,905円)
ISBN978-4-88965-151-5 C0061
品切れ・重版未定

奥付の初版発行年月 2004年06月
書店発売日 2004年06月15日

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解説

森林炭素取引などの現状と課題を解説した好評書の最新改訂版です。

紹介

森林炭素取引などの現状と課題を解説した好評書の最新改訂版です。2003年9月の初版本刊行以後に決まったCDM植林の運営規則や温暖化防止に向けた国内外の最新動向を書き加えました。

目次

新訂版の刊行にあたって
はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

1 基礎編‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11
1−1 地球温暖化は本当に進んでいるのか? 13
 (コラム)地球温暖化のメカニズム 13
 (コラム)気温上昇は勢いを得ながら進行している 15
1−2 気候変動枠組条約とは? 16
 (コラム)枠組条約と議定書パラレル方式の課題  19
1−3 京都議定書とは? 21
 (コラム)日本の基準年排出量は12億3,690万トン(CO2換算) 22
1−4 IPCCが評価した森林・木材の温暖化防止機能とは? 24
 (コラム)二酸化炭素トンと炭素トン 26
1−5 温室効果ガスの削減目標と森林との関係は? 27
 (コラム)日本の森林は自家用車4,500万台分のCO2を吸収している 29
 (コラム)世界の森林は重要な炭素貯蔵庫 30
1−6 日本の森林に見込まれているCO2吸収量は? 31
1−7 京都議定書上の「森林経営」活動とは? 33
 (コラム)「森林」の定義 35
1−8 伐採木材の取り扱いは? 37
 (コラム)木材住宅1軒で国民2人分のCO2排出を相殺 38
 (コラム)木材中の炭素量を求める算式 40
1−9 京都メカニズムとは? 42
1ー10 排出量取引(ET)とは? 44
1−11 共同実施(JI)とは? 47
1−12 クリーン開発メカニズム(CDM)とは? 48
1−13 環境税(温暖化対策税・炭素税)とは? 50
1−14 環境税は導入されるのか? ①海外の状況 52
 (コラム)デンマークが税制改革でとり入れた新しい制度 54
1−15 環境税は導入されるのか? ②日本の状況 55
1−16 木質バイオマスとは? 58
 (コラム)追い風として期待されるRPS法 60
 (コラム)地域に密着した葛巻町と上石津町の挑戦 62
1−17 炭素権とは? 64
 (コラム)下川町有林のCO2売却構想に対する見方 65

2 活用編‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥69
2−1 クリーン開発メカニズム(CDM)を行うには? 71
2−2 CDMプロジェクトの計画を策定するには? 74
 (コラム)CDMの関連組織 75
2−3 CERはどのように発行・分配されるのか? 76
2−4 指定運営機関(DOE)になるには? 78
 (コラム)DOEの役割と責任 80
2−5 バリデーター、ベリファイヤーになるには? 82
 (コラム)京都メカニズム関連の新規格を検討するISO 83
2−6 どの指定運営機関(DOE)を選べばいいのか? 84
 (コラム)プロジェクトの「スコープ」 85
2−7 CDM植林とは? ①アカウンティング 87
 (コラム)再植林の基準年 89
2−8 CDM植林とは? ②非永続性 91
 (コラム)COP9におけるCDM植林にカンする議論の経緯 94
2−9 CDM植林とは? ③クレジット発生期間 96
 (コラム)追加性 97
2−10 CDM植林とは? ④ベースライン、リーケージ 98
 (コラム)バウンダリー 99
2−11 CDM植林とは? ⑤社会経済的・環境的影響 100
 (コラム)侵入性外来樹種とGMO 101
2−12 CDM植林とは? ⑥小規模CDM植林プロジェクト 102
2−13 共同実施(JI)を行うには? 107
2−14 JIプロジェクトの計画を策定するには? 109
 (コラム)JI(第2トラック)の関連組織 109
2−14 ERUはどのように発行・移転されるのか? 111
2−15 排出量取引(ET)を行うには? 113
2−16 二酸化炭素(CO2)の市場価格は? 115
2−17 森林吸収源対策に取り組むには? 119
2−18 森林吸収源対策に貢献する森林経営(施業)とは? 122
2−19 森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を算定するには? 126

3 事例編‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥131
3−1 世界のカーボンマーケットと排出量取引(ET) 133
 1 京都マーケット 134
 2 ノン京都マーケット 134
 (コラム)米国のシカゴ気候取引(CCX) 135
 3 リテール・マーケット 135
 4 英国の排出量取引制度(UKスキーム) 135
 5 EU域内排出量取引制度(ETS) 138
3−2 森林炭素取引を仲介するコンサルタント 141
 1 ヤコ・ペリ社 141
 2 トレクスラー・アンド・アソシエーツ社 143
 3 三菱証券 145
3−3 世界銀行の炭素基金 147
 1 プロトタイプ炭素基金(PCF) 147
 2 バイオ炭素基金(BCF) 148
 カトゥーンバ会議 149/世界銀行が指摘する期限付きクレジットの長所と短所 152
3−4 オーストラリアの植林政策 153
 ニューサウスウェールズ州のポートフォリオ方式 154
3−5 ビクトリア州の炭素権取引 160
 1 ビクトリア州の森林政策 160
 (コラム)炭素権を巡る日本国内での主要な論点 162
 2 グリーン・トライアングル地域の植林事情 163
 (コラム)日本企業が進めている植林事業の仕組み 164
 3 プロスペクタス——ハンコック社の取り組み 165
 コスモ石油の排出権販売 166
3−6 日本企業の海外植林事業 168
 (コラム)7社の異業種連合による大規模植林プロジェクト 171
3−7 CDM植林に対する途上国の対応 173
 1 ホスト国としての受け入れ体制 173
 2 インドネシアとベトナムの状況 174
3−8 CDM植林の実施に向けた課題と提言 177
 1 産業植林での「追加性」とBAU 177
 2 日本企業の途上国での産業植林上の障害 179
 3 日本企業による新たな造林方式 180
 4 小規模CDM植林プロジェクトの産業植林への適用 182
 5 事業者の責任期間 182
 6 CDM理事会の運営に対する提言 183
 7 事業者にとってのメリット 183
3−9 日本国内の排出量取引(ET) 185
 1 環境省の温室効果ガス排出量取引試行事業 185
 (コラム)三重県型CO2排出量取引制度提案事業 186
 2 経済産業省のクレジット(排出削減量)取引・移転試行事業 187
 (コラム)京都メカニズム活用ファンド 188
 3 東京都、埼玉県など自治体の排出量取引 189
 (コラム)森林県の特性を活かした長野県の取り組み 190
 4 企業内での排出量取引 191
3−10 森林吸収量取引試行事業 193
3−11 日本政府の京都メカニズム支援施策 198
 1 京都メカニズム活用連絡会 198
 (コラム)多くの成果を残した熱帯林再生技術研究組合(RETROF) 200
 2 CDM/JIに関する検討調査委員会 200
 3 吸収源対策の第三者認証制度の試行事業 201
 4 インドネシアにおける植林の評価方法に関する調査 202
 5 CDM、JI植林推進検討ワーキンググループ 202
 (コラム)林野庁と経済産業省のヘルプデスク 203
 6 CDM植林クレジット技術指針調査委員会 203
 7 林野庁によるCDM関連植林事業 204

参  考‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥205
 1 シンクCDM(CDM植林)プロジェクト設計書(PDD)の作成方法 207
 2 用語解説 215
 3 地球温暖化関連WEBサイト 222
 4 引用・参考文献 224

あとがき‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥229

前書きなど

「新訂版の刊行にあたって」から抜粋
 本書の初版を世に出してから、8か月近く経った。本書の新訂版を刊行するにあたり、ここ8か月の世界、日本での地球温暖化防止を巡る動きと筆者の実体験に基づき、読者に関心の高いと思われる次の諸点を新たに追加した。
 まず第1にCOP9でのCDM植林運営規則に関する決定事項とその解説、第2に新しい運営規則に基づきCDM植林をどのように推進すればよいか、その課題と解決策の提言、第3に国内での森林吸収源対策としての森林吸収源取引に関する新しい提案である。また、文中の様々なデータや事例紹介についても、新しいものに更新することに努めた。
 本書に述べる筆者の考え方や提言が、地球温暖化防止と森林ビジネスを巡る新たな論議のきっかけとなり、温暖化防止と森林経営の活性化、木材利用の拡大につながっていけば幸いである。

2004年6月 小林 紀之

著者プロフィール

小林 紀之(コバヤシ ノリユキ)
日本大学大学院法務研究科(法科大学院)教授

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上記内容は本書刊行時のものです。

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