森と木と人のつながりを考える

 

ヨーロッパの森林管理
国を超えて・自立する地域へ

石井 寛(編著) / 神沼 公三郎(編著)

A5判  336ページ 並製
定価 2,619円 (本体価格 2,381円)
ISBN978-4-88965-155-3 C0061
在庫あり

奥付の初版発行年月 2005年02月
書店発売日 2005年02月04日

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解説

グローバル化とローカル化への対応戦略を分析した初めての本。

紹介

環境と経済の両立に向けて世界を先導するEU、そしてヨーロッパ各国の最新動向を伝える初めての本。地方分権と市民参加が世界的潮流となる中で、これからの森林管理をどのように進めればいいのか。新たな指針を与えてくれる1冊です

目次

序 章 なぜヨーロッパの森林管理に注目するのか 5
 第1節 ヨーロッパの復権と森林管理政策の新たな枠組み 15
  1.冷戦体制の崩壊とヨーロッパの復権 15
  2.欧州連合(EU)の発展と進む地方分権化 16
    コラム EUの憲法条約 20
  3.国境を越えて広がる環境問題とヨーロッパの取り組み 20
  4.地球サミットと森林政策の進展 23
 第2節 EU加盟国の人口、総土地面積と森林資源 25
 第3節 本書の構成 28
    コラム 京都議定書の発効とEU 35

第1部 EUの取り組み- 国を超えて -

第1章 EUの森林政策とヨーロッパ各国の対応 39
 第1節 EUにおける森林関連施策の開始 39
  1.森林関連施策の開始 39
  2.共通農業政策の改革と「林業施策助成計画に関する理事会規則」 40
    コラム EUの共通農業政策 42
 第2節 森林政策のあり方を定めたEUの林業戦略 44
 第3節 農村開発政策と森林関連施策 45
 第4節 EUの森林政策への加盟各国の対応 47
 第5節 ドイツのヘッセン州とバーデン・ヴュルテンベルク州の取り組み 53
  1.ヘッセン州 53
  2 バーデン・ヴュルテンベルグ州 56
 第6節 まとめ 58
    コラム 現行のEU機構 61
第2章 EUの共通自然保護政策、Natura 2000 63
 第1節 EUの環境政策とNatura 2000 64
  1.公害対策が中心の環境政策 64
  2.EU政策の自然保護への広がり 65
  3.持続的発展を基底にもったNatura 2000の登場 67
 第2節 Natura 2000の内容 69
  1.鳥獣保護指令 69
  2.生態系保護指令の内容 70
  3.既存の保護地域制度とNatura 2000との違い 72
  4.Ntura 2000の実施スケジュール 73
  5.Natura 2000と環境NGO 75
  6.各国のNatura 2000実施状況 76
 第3節 Natura 2000の実態—ドイツを事例に— 78
  1.ドイツ各州のNatura 2000の実施状況 78
  2.Natura 2000の指定を阻む要因 81
 第4節 Natura 2000の課題 85
 第5節 注目される今後のゆくえ 86
第3章 EUの地域政策と地域づくり 91
 第1節 EUの地域政策の展開 91
 第2節 EUにおける地域格差の動向 94
 第3節 地域政策の手段と補完性の原則 97
 第4節 地域政策と強まる農村開発の重要性 99
 第5節 フィンランドの事例—LEADER+による地域づくり— 102
  1.フィンランドの農山村政策 102
  2.フィンランドの地方制度 103
  3.LEADER+の取り組み 107
 第6節 まとめ 108

第2部 ヨーロッパ各国の取り組み- 自立する地域へ -

第4章 ドイツの森林行政改革 115
 第1節 森林の概況と低下する林業の収益性 115
    コラム ドイツの行政組織 118
 第2節 州の森林行政組織と州有林管理 120
  1.連邦森林法の規定と州の森林行政組織 120
  2.州有林管理の現状 125
 第3節 統一森林署方式の長所・問題点と改革方向 126
 第4節 ザールランド州とヘッセン州の森林行政改革 128
  1.ザールランド州 128
  2.ヘッセン州 130
 第5節 他州における森林行政改革の動き 135
  1.バーデン・ヴュルテンベルグ州 136
  2.バイエルン州 140
  3.ザクセン州 142
 第6節 まとめ 143
    コラム スコットランドの分権化と森林行政改革 146
第5章 ドイツの統一森林署 149
 第1節 州森林署の任務——制度上の規定 150
 第2節 ノイエンビュルク森林署の事例 152
  1.統一森林署の所以 152
  2.組織構成——特に人員の配置と所属 156
  3.団体有林に対する森林署の対応 157
  4.自治体からみた森林署の評価 159
  5.両首長の印象 162
 第3節 キルヒツァルテン森林署の事例 163
  1.組織構成——特に人員の配置と所属 163
  2.団体有林に対する森林署の対応 165
  3.オーバーリートからみた森林署の評価 166
 第4節 まとめ 169
第6章 ドイツにおけるローカルアジェンダ21と市有林管理 175
 第1節 フライブルク市 176
  1.環境保護運動とローカルアジェンダ21 176
  2.市有林の管理 178
 第2節 バーデン・バーデン市 183
  1.ローカルアジェンダ21の取り組み 183
  2.市有林の管理 184
 第3節 カールスルーエ市187
  1.ローカルアジェンダ21の取り組み 187
  2.再生可能なエネルギーの利用 188
  3.市有林の管理 189
  4.バーデン・ヴュテンベルク州森林行政改革の影響 191
 第4節 ハイデルベルク市 192
  1.ローカルアジェンダ21の取り組み 192
  2.市有林管理とバーデン・ヴュテンベルグ州森林行政改革の影響 194
 第5節 まとめ 196
第7章 ドイツの自然公園 199
 第1節 ドイツにおける自然公園の展開 199
 第2節 ドイツにおける自然公園の意義 201
  1.自然公園と国立公園の違い 201
  2.アジェンダ21をとりいれた自然保護法の改正 204
  3.自然公園の役割 205
  4.保護地域の指定状況 207
 第3節 自然公園の運営形態 209
 第4節 バイエルンの森自然公園 211
 第5節 ザール・フンスリュック自然公園 215
  1.自然公園の村プログラム 216
  2.農村のエネルギーミックス 217
 第6節 まとめ 220
第8章 フランス森林法典の改正と森林公社改革 227
 第1節 フランスの森林・林業 227
  1.フランスの森林資源の現況 229
  2.森林・林業政策にかかわる制度と組織 232
  3.林業および木材産業の現状 234
 第2節 森林政策の新たな局面 237
  1.改革の契機ともなった1999年12月の風倒被害 237
     コラム フランスにおける広葉樹の長伐期施業 238
  2.森林・林業政策の転換 240
 第3節 世界の潮流を意識して改正された2001年の森林法典点 243
  1.フランスの森林の方向性に関する法律 243
  2.森林管理と地域振興を結び付けるテリトリーに関する森林憲章 245
  3.全国森林所有者職能センター 247
  4.森林法典改正に関するまとめ 248
 第4節 森林公社の改革 248
  1.森林公社改革の背景 248
  2.改革の方向性 250
  3.ピラミッド型を壊した森林公社の組織改革 251
  4.経営の効率化と多様化 254
 第5節 改革の行方 256
第9章 フランスの「テリトリーに関する森林憲章」 259
 第1節 森林憲章とは何か 259
  1.森林法典での位置づけと要件 259
  2.キーワードはテリトリー、計画、契約 262
  3.協定の地理的単位および推進主体 263
    コラム フランスの地方制度 264
  4.憲章モデル事業の存在形態 266
 第2節 2つの先進事例 268
  1.イーゼル森林憲章 268
  2.ボージュ山塊森林憲章 274
 第3節 森林憲章の課題と地方分権における意義 278
  1.成果と課題 278
  2.地方分権における森林憲章の意義 279
第10章 スウェーデンの持続的森林管理と森林認証 285
 第1節 スウェーデンの森林・林業 286
  1.森林資源の概要 286
  2.持続可能な林業の実践 287
 第2節 森林認証制度の展開過程 288
  1.持続的森林管理の始まり 288
  2.FSC森林認証の導入 289
  3.PEFC森林認証の導入 291
  4.森林認証基準をめぐる論争 293
  5.国内認証基準の比較文書 294
    コラム フィンランドにおける森林認証制度の導入 295
  6.両国内認証基準の改定 297
  7.FSCとPEFCの重複認証 299
 第3節 持続的森林管理への政策対応 300
 第4節 まとめ 302
第11章 ポーランドの森林・林業 307
 第1節 中東欧のなかでのポーランドの位置付け 307
 第2節 ポーランドの森林資源 309
  1.森林資源の分布 309
  2.所有構造 311
  3.林地返還の問題 311
 第3節 森林法と森林政策 313
  1.森林法の概要 313
  2.森林国家政策 315
 第4節 林業生産と木材産業 316
  1.木材生産量 316
  2.造林の実態 318
  3.木材産業の動向 319
 第5節 国有林 321
  1.国有林の組織と会計制度 321
  2.職員数の大幅削減 324
  3.素材生産と販売 326
  4.森林認証への取り組み 327
 第6節 まとめ 328
  1.ポーランドの林業・木材産業における課題 328
  2.中東欧における森林・林業の今後の展望 329
    コラム チェコの森林と林業 332

著者プロフィール

石井 寛(イシイ ユタカ)
北海道大学大学院農学研究科教授。林業経済学会会長。
神沼 公三郎(かぬま きんざぶろう)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター教授。

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