森と木と人のつながりを考える

 

中国林業・その変貌の行方
集体林にみる市場経済化

崔 麗華(著) / 村島 由直(監)

A5判  164ページ 並製
定価 2,619円 (本体価格 2,381円)
ISBN978-4-88965-130-0 C3061
絶版

奥付の初版発行年月 2000年10月
書店発売日 2000年10月20日

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解説

国有林とは別の、中国におけるもう一つの森林所有・経営形態である「集体林」。その成立過程や現状とともに、木材流通と消費構造について、現地のデータや資料を集め、詳細に分析・解説を加えた初の論文です。

紹介

中国特有の森林所有・経営形態である「集体林」。その成立過程や現状とともに、計画経済期から現在に至る木材流通と消費構造について、詳細に分析・解説を加えています。

目次

第1章 中国林業の概況と集体林の位置
 第1節 中国における森林資源と林業の概況
 第2節 南方集体林の現況及び位置
第2章 集体林の成立と計画経済体制化の経営
 第1節 集体林の成立
 第2節 計画経済期における集体林の経営形態
 第3節 小 括
第3章 「計画経済期」における南方集体林地域の木材流通構造
 第1節 社会主義制度の確立と木材流通システムの形成
 第2節 完全統制期の木材流通
 第3節 木材の流通機構・市場組織
 第4節 配給材の価格形成
 第5節 「計画経済期」における木材流通構造の特徴と弊害
第4章 集体林の経営体制改革
 第1節 全国経済改革・開放の背景
 第2節 全国経済改革の進展
 第3節 林業経営体制改革の過程
 第4節 集体林の株主会経営と問題
      — 福建省三明市改革試験区を事例として —
 第5節 林業経営体制改革の徹底化
      — 「産権」とめぐる問題・産権の再明確化 —
第5章 「経済改革期」における木材市場の再編
 第1節 木材市場再編の背景
 第2節 木材消費構造と需給
 第3節 木材流通構造・市場組織の再編
 第4節 木材企業統合の事例分析
 第5節 木材価格の改革
 第6節 考 察
終 章 本書の要約と今後の課題

前書きなど

森林経営は個別化・個別請負化とともに、統一(集団)経営を維持するなど多様な形態をとり、生産請負制が導入された。そのなかで、林業株式会社が統一的に経営するものとして注目されている。これは福建省三明地区で試行されたもので、「株は分けるが山は分けない。利益は分けるが森林は分けない」(分股不分山、分利不分林)を基本的な方針として、森林経営の零細化を防ぎ、会社経営を取り入れ、市場経済化に対応しつつあるものである。
 市場経済化にともなって、木材の生産は効率的に拡大した。これまでの伐採には無駄が多く生じていたといわれるが、それがなくなった。これは加工・流通局面においても同様なことがいえる。国有木材企業の私企業化は、効率的な生産体制を模索するようになっているし、最終消費者のニーズへの対応も不可欠になっている。こうした市場経済の現状を、本書はビビッドに描いている。

2000年8月22日 村嶌 由直

著者プロフィール

崔 麗華(サイ レイカ)
村島 由直(ムラシマ ヨシナオ)

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上記内容は本書刊行時のものです。

2,619円
(本体価格 2,381円)

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