地球温暖化と森林ビジネス
「地球益」を目指して
小林 紀之(著/文 他)
A5変型判 200ページ 並製
定価 2,096円 (本体価格 1,905円)
ISBN978-4-88965-143-0 C0061
絶版
奥付の初版発行年月 2003年09月 書店発売日 2003年09月01日
解説
新たな市場(マーケット)が動き出した。最新ルールと先端事例をわかりやすく解説。
紹介
新たな市場(マーケット)が動き出した。森林炭素取引などの最新ルールと先端事例をわかりやすく解説。21世紀の環境保全戦略を構築する上で必読の書。
目次
はじめに 「地球益」の実現に向けて
1 基礎編
1−1 地球温暖化は本当に進んでいるのか?
<コラム>地球温暖化のメカニズム
<コラム>気温上昇は勢いを得ながら進行している
1−2 気候変動枠組条約とは?
<コラム>枠組条約と議定書パラレル方式の課題
1−3 京都議定書とは?
1−4 IPCCが評価した森林・木材の温暖化防止機能とは?
<コラム>二酸化炭素トンと炭素トン
1−5 温室効果ガスの削減目標と森林との関係は?
<コラム>日本の森林は自家用車4,500万台分のCO2を吸収
<コラム>世界の森林は重要な炭素貯蔵庫
1−6 日本の森林に見込まれているCO2吸収量は?
1−7 京都議定書上の「森林経営」活動とは?
<コラム>「森林」の定義
1−8 伐採木材の取り扱いは?
<コラム>木造住宅1軒で国民2人分のCO2排出を相殺
1−9 京都メカニズムとは? ①排出量取引(ET)
1−10 京都メカニズムとは? ②共同実施(JI)
1−11 京都メカニズムとは? ③クリーン開発メカニズム(CDM)
1−12 環境税(温暖化対策税・炭素税)とは?
1−13 環境税(温暖化対策税・炭素税)は導入されるのか?
<コラム>デンマークが税制改革でとりいれた新しい制度
1−14 木質バイオマスとは?
<コラム>追い風として期待されるRPS法
<コラム>地域に密着した葛巻町と上石津町の挑戦
1−15 炭素権とは?
<コラム>下川町有林のCO2売却構想に対する見方
2 活用編
2−1 クリーン開発メカニズム(CDM)を行うには?
2−2 CDMプロジェクトの計画を策定するには?
<コラム>CDMの関連組織
2−3 CERはどのように発行・分配されるのか?
2−4 指定運営機関(DOE)になるには?
<コラム>DOEの責任と役割
2−5 バリデーター、ベリファイヤーになるには?
<コラム>京都メカニズム関連の新規格を検討するISO
2−6 どの指定運営機関(DOE)を選べばいいのか?
<コラム>プロジェクトの「スコープ」
2−7 CDM植林の課題は? ①アカウンティング
<コラム>再植林の基準年
2−8 CDM植林の課題は? ②非永続性
<コラム>COP9に向けた各国のスタンス
2−9 CDM植林の課題は? ③ベースライン、リーケージ
<コラム>バウンダリー
2−10 CDM植林の課題は? ④クレジット発生期間
<コラム>追加性
2−11 CDM植林の課題は? ⑤社会経済的・環境的影響
<コラム>小規模CDMプロジェクトと吸収源(植林)
2−12 共同実施(JI)を行うには?
2−13 JIプロジェクトの計画を策定するには?
<コラム>JI(第2トラック)の関連組織
2−14 ERUはどのように発行・移転されるのか?
2−15 排出量取引(ET)を行うには?
2−16 二酸化炭素(CO2)の市場価格は?
2−17 森林吸収源対策に取り組むには?
2−18 森林吸収源対策に貢献する森林経営(施業)とは?
2−19 森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を算定するには?
3 事例編
3−1 世界のカーボンマーケットと排出量取引(ET)
1 京都マーケット
2 ノン京都マーケット
3 リテール・マーケット
4 英国の排出量取引制度
5 EU域内排出量取引制度
3−2 森林炭素取引を仲介するコンサルタント
1 ヤコ・ペリ社
2 トレクスラー・アンド・アソシエーツ社
3 三菱証券
3−3 世界銀行の炭素基金
1 プロトタイプ炭素基金
2 バイオ炭素基金
<コラム>カトゥーンバ会議
<コラム>世界銀行が指摘するTCERの長所と短所
3−4 オーストラリアの植林政策
<コラム>ニューサウスウェールズ州のポートフォリオ方式
3−5 ビクトリア州の炭素権取引
1 ビクトリア州の森林政策
2 グリーン・トライアングル地域の植林事情
<コラム>日本企業が進めている植林事業の仕組み
3 プロスペクタス——ハンコック社の取り組み
3−6 日本企業の海外植林戦略
<コラム>7社の異業種連合による大規模植林プロジェクト
3−7 CDM植林に対する途上国の反応
3−8 日本国内の排出量取引(ET)
1 環境省の温室効果ガス排出量取引試行事業
<コラム>三重県型CO2排出量取引制度提案事業
2 経済産業省のクレジット(排出削減量)取引・移転試行事業
<コラム>京都メカニズム活用ファンド
3 東京都、埼玉県など自治体の排出量取引
4 企業内での排出量取引
3−9 日本政府の京都メカニズム支援施策
<コラム>多くの成果を残した熱帯林再生技術研究組合(RETROF)
参 考
1 シンクCDM(CDM植林)プロジェクト設計書(PDD)の作成方法
2 用語解説
3 地球温暖化関連サイト
4 引用・参考文献一覧
著者プロフィール
小林 紀之(コバヤシ ノリユキ)
1940年東京都生まれ。1964年、北海道大学農学部林学科を卒業し、住友林業(株)に入社。1987年に海外第2部長、1991年にグリーン環境室長に就任。熱帯林再生プロジェクトや研究活動の責任者として環境マネジメントシステムの運営を担い、1998年に理事、2001年に研究主幹。2003年6月に同社を退職し、現在は、環境省の京都メカニズムに関する検討会、同森林等の吸収源に関するワーキンググループ、林野庁のCDM・JI植林促進検討ワーキンググループ、同CDM植林技術指針調査委員会などの委員を歴任。世界銀行Bio Carbon Fund技術諮問委員、海外産業植林センターのJI・CDM植林クレジット技術指針調査委員会委員長などもつとめる。日本大学・東京農工大学・愛媛大学の非常勤講師及び愛媛大学地域共同研究センター客員教授。博士〔農学〕(北海道大学)。
主な著書に、『ゼミナール地球環境論』(共著、慶応大学出版会、1999年)、『ISO14001環境マネジメント便覧』(共著、日本規格協会、1999年)、『21世紀の環境企業と森林』(日本林業調査会、2000年)、『民間企業と環境ガバナンス』(共著、中央法規出版、2000年)など。