環境と分権の森林管理
イギリスの経験・日本の課題
岡田 久仁子(著)
A5判 274ページ 並製
定価 2,619円 (本体価格 2,381円)
ISBN978-4-88965-173-7 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月 2007年07月 書店発売日 2007年07月10日
解説
イギリス・ニューフォレストの取り組みを軸に、森林を活かした新たな地域づくりの方向を示す!
紹介
イギリス・ニューフォレストの取り組みを軸に、森林を活かした新たな地域づくりの方向を示す!
目次
刊行に寄せて 林野庁長官 辻 健治 3
はじめに 5
序 章 森林管理の新時代へ 11
1 本書の背景と課題 13
2 先行研究の論点整理と本書主張の位置 17
第1章 森林政策は環境配慮へシフトした 29
第1節 地球環境の悪化 31
第2節 進展する国際的取り組み 35
コラム 持続可能な森林経営のための基準と指標 41
第3節 森林認証制度 44
1 森林認証制度の成立 44
2 FSC認証制度 46
第2章 日本の森林政策の変貌と特徴 53
第1節 林業基本法から森林・林業基本法へ 55
1 林業基本法の制定とその概要 55
2 森林・林業基本法へ 60
3 森林・林業基本計画 66
第2節 新たな森林政策 69
1 地球温暖化対策 69
2 バイオマス・ニッポン総合戦略 72
3 生物多様性国家戦略 75
4 森林・林業基本計画の改訂 77
5 新たな森林政策の特徴と問題点 79
第3章 FSC森林認証を中心とした森林管理と地域の変貌 83
第1節 森林政策の転換と地域 85
1 その背景と課題 85
2 住田町の概要 86
第2節 住田町林業の変遷 88
1 住田町林業振興計画 88
2 第2次住田町林業振興計画 92
3 川下から川上へ、流通・加工施設の整備 95
第3節 地域林業からみんなのための森林へ 100
1 FSC森林認証取得までのあしどり 100
コラム 北東北の基準と指標 106
2 認証取得後の森林・林業システムや地域における変化 108
第4節 「森林・林業日本一の町づくり」 122
1 「林業振興計画」から「森林・林業日本一の町づくり」計画へ 122
2 「森林・林業日本一の町づくり」推進事業 129
コラム ペレット・ストーブ 130
第5節 自治体の対応とFSC森林認証制度 137
第4章 森林環境税の形成と住民参加 141
第1節 各県が森林環境税導入へ 143
1 本章の課題 143
2 森林環境税についての諸研究 143
3 本章での研究方法 146
4 岩手県の森林・林業、林政の特徴 146
第2節 住民参加による新たな政策実現へ 149
1 県による「森林づくり新税」の実現に向けた動き 149
2 検討委員会の始動 151
3 県民参加による施策づくりへ 152
第3節 検討委員会答申の行方 —県段階の検討— 164
1 県が示した素案の内容 164
2 県「素案」に対する地域説明会での反応 165
第4節 「いわての森林づくり県民税」の成立 168
1 県議会に提出された「いわての森林づくり県民税」成案 168
2 検討委員会委員の県成案への反応 169
第5節 地方における森林施策づくりへの課題 172
第5章 イギリス・ニューフォレストの新たな森林管理システム 175
第1節 課題と背景—イギリスから何を学ぶか 177
第2節 イギリスのコモンズ 180
第3節 ニューフォレストの位置づけ 184
第4節 フォレスト管理の歴史と入会権の形成 188
1 王の狩猟地「フォレスト」の形成 188
2 地域農民が入会権を得るまで 189
3 ヴァーダラーズ(森林裁判官たち)の歴史 191
第5節 フォレストの管理・利用と政策的中間組織 197
1 戦後のヴァーダラーズの変貌と現在 197
2 ヴァーダラーズとFCの役割 200
3 入会権者Stride家の生活と権利行使 208
コラム ポニーブランド(焼印) 210
4 ヴァーダラーズ裁判システムによる調整 211
第6節 ニューフォレストの利用をめぐる問題と調整 215
1 脅かされる入会権 215
2 口蹄疫への対処 216
コラム カントリーサイド・歩く権利法と入会権 217
コラム カントリーサイド規則 220
3 観光客へのアンケートから 221
コラム 犬を連れて歩く時の規則 226
第7節 ニューフォレスト委員会・同諮問委員会 228
1 ニューフォレスト委員会の誕生とその役割 228
2 政策と地域ニーズを受け止めるニューフォレスト管理計画 231
3 ニューフォレスト管理計画の内容 234
4 ニューフォレスト諮問委員会 237
第8節 日本が学ぶべきもの —重層的な政策的中間組織のあり方— 244
終 章 249
新たな森林政策の実現に向けて 251
おわりに 257
参考文献 259
前書きなど
「はじめに」から
2006年の秋以降、巨大木材産業の国産材回帰現象が風雲急を告げ、わが国森林への要求や期待は一層重層的で複雑なものになってきました。経済側面からの要求は、あっという間にすべての人々を飲み込む力を持つだけに、改めて生態系として健全に管理された森林、持続可能な管理の実現の必要性が強調されなければなりません。そこでは、政策の重要性をいくら強調しても強調しすぎることはないのです。政策実現の形としては、政府や自治体だけに押しつけるのではなく、本来的地方分権や国民や地域住民そして様々に関係する主体とのガバナンス形成が求められます。本書は、日本の森林管理をめぐる問題解決の糸口を、イギリス・ニューフォレストの実情分析をもとに考察し、解決方策についても指摘しようとするものです。
版元から一言
イギリス・ニューフォレストの取り組みを軸に、森林を活かした新たな地域づくりの方向を示す!
著者プロフィール