森と木と人のつながりを考える

 

国有林経営の研究
その戦後統合と蹉跌

自然科学

萩野敏雄(著)

A5判  165ページ 上製
定価 4,191円 (本体価格 3,810円)
ISBN978-4-88965-183-6 C0061
絶版

奥付の初版発行年月 2008年01月
書店発売日 2008年01月01日

このエントリーをはてなブックマークに追加
 読書メーター  本を引用

解説

これまで語られることのなかった国有林の「素顔」を未発掘の資料で初めて明らかにした労作。特別会計廃止という大改革を控える国有林の今後を考えるにあたって必読の書。

紹介

これまで語られることのなかった国有林の「素顔」を未発掘の資料で初めて明らかにした労作。特別会計廃止という大改革を控える国有林の今後を考えるにあたって必読の書。

目次

まえがき 1
序章 国有林形成と官行伐出事業 1
1 「官林」の成り立ち 3
2 官林の存廃区分 7
3 官有3者(官林・官有山林・官有林野)の管理と伐出事業 10
 (1) 払い下げ 10
 (2) 全面的直轄化 17
 (3) 下げ戻し 19
 (4) 官行伐出事業の沿革 23
4 旧植民地の国有林形成 26
第1章 GHQ支配と占領林政 31
1 概要 31
2 カーチャー勧告と森林計画制度 35
3 山林局の対応 47
 (1) 戦後初の「林業政策要綱」 47
 (2) 「農林大臣引継文書」 51
 (3) 技官・山林局長の初誕生 54
 (4) 林野局設置の新聞発表(昭和22年3月3日) 60
第2章 国有林の林政統合 63
1 戦後の林政統合意見 63
2 実現への道程 66
 (1) GHQの賛成 66
 (2) 大蔵省の賛成 70
 (3) 北海道庁の反対 74
 (付) 函館営林局の強行誕生 79
第3章 統合国有林の経営 83
1 その特質 84
2 自己評価と実質 88
3 林野庁の存立問題 93
 (1) 国土省設立案との関連 93
 (2) 「国有林公社」論争の登場 94
4 労務管理の状況(昭和32年時) 102
 (1) 課題範囲の限定 102
 (2) 日本労働市場の検討 103
 (3) 国有林労働市場の検討 105
 (4) 国有林労働力の現状 108
 (5) 国有林労務管理の経過と現状 112
第4章 地籍異動と外部経済 115
1 概説 115
2 地籍異動 117
 (1) 国有林野整備 117
 (2) 市町村合併 119
 (3) 民有保安林買い入れ 122
3 外部経済への接近 122
 (1) 「林政協力事業」の創始 125
 (2) 森林開発公団の創立 130
終 章 <営林時代>の終末 137
1 「昭和40年中林森答申」への急転落 137
2 末期的増収策、「緑のオーナー制度」 149
3 <高橋是清・林政思想>の消滅 153
あとがき 162

前書きなど

これまでわが国では、「占領下に農地改革はおこなわれたが、山林改革はなかった」と思われてきた。だが、それは誤っている。第1章は、被占領林政期における山林局の動向と、第3次森林法誕生=森林計画制度を中心とした。第2章では、御料林と北海道国有林との統合をめぐって生じた諸問題と、函館営林局設置を事後承諾させた特異な事例を取り上げた。第3章では、特別会計下の経営絶好調期において、林野庁をめぐり、どのような課題があったかにふれた。紙・パルプ資本は増伐と低コストを目途として国有林公社化を主張するに至っていた。そして、昭和32年当時の労務管理問題を明らかにした。第4章は、歳計剰余金と外部経済との関連についてである。それは、30年余に及ぶ<参議院全国区選挙の季節>ともからみあつつ展開していき、そのことが後に多くの問題の源となる。終章は、高名な高橋是清にまつわる話で締め括っている。彼の脳裏に直感的に閃いた<林政思想>、その延長線上に位置する木材自給率の重視こそが、今後の国有林のとるべき重要な方途だ。高橋林政時代の営林経営への新たな回帰が要請される。それに先だって、国有林経営論争を必要とするだろう。

版元から一言

これまで語られることのなかった国有林の「素顔」を未発掘の資料で初めて明らかにした労作。特別会計廃止という大改革を控える国有林の今後を考えるにあたって必読の書。

著者プロフィール

萩野敏雄(ハギノトシオ)

上記内容は本書刊行時のものです。

4,191円
(本体価格 3,810円)

絶版

 

オンライン書店で買う


最寄りの書店で買う



版元からのお勧め