丹沢の自然再生
木平 勇吉(著/文 他) / 勝山 輝男(著/文 他) / 田村 淳(著/文 他) / 山根 正伸(著/文 他) / 羽山 伸一(著/文 他) / 糸長 浩司(著/文 他) / 原 慶太郎(著/文 他) / 谷川 潔(著/文 他)
B5判 612ページ 並製
定価 6,285円 (本体価格 5,714円)
ISBN978-4-88965-225-3 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月 2012年11月 書店発売日 2012年11月22日
解説
丹沢山地で進められている自然再生プロジェクトの全貌をまとめた貴重な1冊。「市民力」で自然と森を甦らせるための新しいバイブルです。オールカラー。
紹介
丹沢山地で進められている自然再生プロジェクトの全貌をまとめた貴重な1冊。「市民力」で自然と森を甦らせるための新しいバイブルです。オールカラー。
目次
はじめに(木平勇吉) 3
第1編 水源林の再生(編者:木平勇吉) 17
はじめに(木平勇吉) 19
第1章 水源林の働き(木平勇吉) 21
1 体験から知る水源林 21
2 目に見える水源林の荒廃 21
3 水源かん養機能の仕組み 22
4 水源林を管理する方法 24
5 社会的共通資本としての水源林 25
第2章 災害の履歴とその影響(内山佳美) 27
1 関東大震災 27
2 昭和47年7月豪雨 30
3 災害を発生させる要因 31
4 過去からの災害の影響 34
5 水源林再生に必要な時間軸の視点 35
第3章 水源林の防災・国土保全機能(石川芳治) 37
1 シカの過密化と人工林の荒廃 37
2 シカの食害による林床植生の衰退と土壌侵食 40
3 森林における土壌侵食の防止方法 46
4 山地における土砂災害と防災・減災の考え方 51
5 水源林の役割 54
第4章 水源林の水質形成機能(戸田浩人) 61
1 森林土壌と林床植生の働き 61
2 人工林の林相修復作業 63
3 森林施業による水質の変化 65
4 渓流への養水分の流出 67
5 健全な生態系を創造する流域管理 69
第5章 水源域における人工林管理 73
人工林の歴史とこれからの施業(木平勇吉) 73
1 人工林がつくられた歴史的な背景 74
2 人工林の管理放棄と荒廃の経緯 77
3 人工林の公的管理と役割 79
4 これからの人工林施業 80
5 まとめ 81
森林機能の階層性と管理の手法(園原和夏) 83
1 森林機能の階層性と管理の方針 83
2 林分の管理目的とゾーニング 84
コラム●草刈り十字軍との出会い(川又正人) 88
第6章 水源林再生のための制度 91
かながわ水源の森林づくり(稲本克也) 91
1 「かながわ水源の森林づくり」とは 91
2 水源林の確保について 92
3 水源林の整備について 93
4 「水源の森林づくり」を担当して 94
水源環境保全税制と県民参加(長谷川朝恵) 97
1 事業の検討過程の概要 97
2 県民参加を推進する「参加型税制」 99
3 県民参加を実現する場「県民会議」 100
4 「参加型税制」のさらなる充実に向けて 101
5 おわりに 106
秦野市の地下水利用管理政策(佐藤裕一・中野伸子・佐土原聡・及川敬貴) 108
1 秦野市のあらまし 108
2 地下水利用管理政策のこれまで 110
3 水源林と地下水の関係 113
4 地球環境と防災を一体化した政策の必要性 115
サントリー「天然水の森」(山田健) 119
1 工場で使う地下水は森でかん養する 119
2 「天然水の森」の設定に先立つ調査 120
3 天然水の森 丹沢自然再生プロジェクト 123
コラム●放棄された財産区林の効用(佐藤好延) 129
第7章 丹沢は相模湾の恋人(泉桂子) 131
1 水源林としての丹沢の可能性 131
2 農業用水利用者による丹沢保全 132
3 漁業者による丹沢保全 133
4 まとめ 134
第2編 ブナ林の再生(編者:勝山輝男、田村淳) 137
はじめに(田村淳) 139
第1章 森林生態系と生物多様性(勝山輝男) 141
1 生物多様性 141
2 生物多様性の危機 145
3 生物多様性の保護と持続的な森林管理 147
第2章 丹沢の森林とその植物相(勝山輝男) 149
1 植生から見た丹沢 149
2 植物の分布からみた丹沢 156
コラム●丹沢の植物の思い出(城川四郎) 161
第3章 植生に及ぼすヒトの影響(田村淳・羽太博樹) 163
1 花粉分析による神奈川の植生変遷史 164
2 近世以降の森林利用 165
3 昭和20年代以降の森林・林業政策の変遷と丹沢 169
4 時代を生き抜いてきた丹沢の巨木 177
第4章 ブナ林・モミ林の衰退(越地正) 183
1 ブナ林の衰退の経緯 183
2 ブナ林の衰退原因 187
3 モミ林の衰退の経緯 197
4 モミ林の衰退原因 200
コラム●空中写真で見るブナ林の衰退(鈴木透) 204
第5章 環境の推移とともに変わる昆虫相(高桑正敏) 207
1 序論:昆虫相から見た生物地理 207
2 本論:環境の推移とともに変わる昆虫相 210
コラム●ブナハバチの発見(山上明) 221
コラム●ブナハバチの大発生の秘密を探る(谷脇徹) 223
第6章 ブナ林・モミ林の保全と再生(田村淳) 225
1 ブナ林とモミ林の再生目標 225
2 ブナ林とモミ林の特徴 226
3 ブナ林・モミ林の保護と再生技術 229
4 ブナ林・モミ林、ほかの自然林に生育する希少植物の保護 233
第7章 人工林の広葉樹林への転換と渓畔林の再生(田村淳) 237
1 人工林の広葉樹林への転換の背景 237
2 針広混交林化と広葉樹林化の事例 238
3 人工林の広葉樹林化への課題 244
4 おわりに 245
コラム●スケッチからみた丹沢の未来(中西のりこ) 246
第3編 野生動物との共生(編者:山根正伸、羽山伸一) 249
はじめに(山根正伸) 251
第1章 野生動物との共生とは何か(羽山伸一) 255
1 再び野生動物と向き合う世紀へ 255
2 クマまでが住宅地に 255
3 拡大する野生動物の分布域 256
4 新たな問題~外来動物 257
5 シカ問題 257
6 丹沢再生 258
第2章 丹沢の野生動物問題 261
丹沢で見られる外来種(加藤ゆき) 261
1 外来種とは? 261
2 外来種と法律 262
3 丹沢で確認されている外来種 262
4 人間と一緒に山を登る帰化植物 262
5 着実に分布域を広げる外来動物 263
6 なぜ外来種は問題か? 265
7 外来種対策の課題 266
ニホンザルの生態と管理(岡野美佐夫) 267
1 丹沢とニホンザル 267
2 近年の調査状況 267
3 ニホンザルの分布および群れ数・個体数 267
4 生息環境 269
5 利用環境 269
6 被害状況 270
7 管理の現状と今後の課題 271
渓流魚の危機(勝呂尚之) 273
1 渓流魚に関する調査の概要 273
2 渓流魚から見た東丹沢と西丹沢 274
3 ヤマメやイワナの食事メニューと周辺環境 274
4 堰堤と渓流魚 278
5 丹沢の渓流魚の在来系統群 279
6 渓流魚が生息できる環境の復元に向けて 280
第3章 シカの管理 283
奥山に登ったシカ(山根正伸) 283
1 丹沢のシカ 283
2 3度も起こったシカ問題 283
3 シカ問題の生態学的理解 290
4 問題解決と再発防止に向けて 292
ニホンジカ保護管理事業(永田幸志・羽太博樹) 296
1 山地帯でシカを安定的に生息させるために 296
2 神奈川県ニホンジカ保護管理計画 296
3 保護管理事業の内容 299
4 成果と課題、今後の方向性 302
森林整備とシカ保護管理の一体的推進(山根正伸) 304
1 シカとの新たな共存に向けて 304
2 水源の森林づくり事業の躓き 305
3 水源林整備とシカ保護管理の一体的推進 307
4 今後の課題 310
第4章 ツキノワグマの生態と保護 313
丹沢に暮らすクマを追って(羽澄俊裕) 313
1 行動圏の追求 313
2 個体数の推測 314
3 南関東地域のツキノワグマと丹沢 315
食性から考えるツキノワグマの保護(長縄今日子) 317
1 丹沢のツキノワグマの食性 317
2 クマの生息環境としての丹沢 319
3 里での被害対策とクマ特有の問題 320
4 登山者とクマの遭遇 322
5 ツキノワグマが暮らせる丹沢をいつまでも 322
コラム●ツキノワグマとの出会い(松井貞臣) 323
第5章 鳥類相の保全(山口善盛) 327
1 丹沢山地の鳥類相 327
2 鳥類を脅かす要因 327
3 姿を消しつつある鳥類 330
4 今後の課題 333
第6章 中小型哺乳類の生息環境と生態(若代彰路) 335
1 中小型哺乳類が暮らせる丹沢へ 335
2 生息地を結ぶ天然丸木橋 335
3 小型哺乳類の生息環境 337
4 シカ密度の増大と林床植生の変化が及ぼす影響 343
5 丹沢の自然を再生する方策 344
第7章 野生動物との共生に向けた情報解析(鈴木透) 347
1 情報を集約・共有する;GISを用いた情報の地図化と共有 347
2 現状を評価する;野生動物と自然環境の空間分析 350
3 対策・政策を練る;課題を解決するための意思決定支援 353
第4編 地域社会の再生(編者:糸長浩司) 359
はじめに(糸長浩司) 361
第1章 里山社会の再生をめざして(糸長浩司) 363
1 東日本大震災の衝撃をどう受け止めるか 363
2 自然と折り合いをつける人間環境づくり 364
3 「風土化した自然」を手入れして育む 364
4 里山文化の温故知新 365
5 縄文と弥生の文化融合としての里山 365
6 コモンズ空間としての里山 366
7 里山社会の自立的再生の方向 367
第2章 丹沢大山の地域社会の姿 369
地域の特徴(糸長浩司) 369
1 概要 369
2 人口 370
3 産業 372
4 農業 373
5 森林・林業 374
6 観光 375
里山社会の暮らしの多様性(栗原伸治) 378
1 旧8市町村の特徴 378
2 暮らしの曼荼羅 382
野生動物による被害実態と住民意識(日暮晃一 ・糸長浩司・鈴木教子) 383
1 調査の概要 383
2 農作物被害状況 383
3 野生動物被害対策 387
4 今後の課題 388
第3章 森林・林業の課題と複合再生ビジョン(富村周平) 389
1 森林・林業の課題 389
2 複合再生ビジョン 394
第4章 県民の丹沢観 397
森林環境と木材利用の意識(糸長浩司) 397
1 川上、川下をつなぐデザイン力 397
2 アンケート結果からみる県民意識 398
3 まとめ 401
キャンプ利用者の意識(藤沢直樹) 403
1 エコツーリズムへの移行に向けて 403
2 利用者の特徴とキャンプの魅力 403
3 環境維持・再生活動への参加意識 404
4 今後の課題 406
登山者の丹沢観(藤沢直樹) 407
1 オーバーユースへの懸念 407
2 登山者にとっての丹沢大山の魅力 407
3 自然環境への保全意識 408
4 丹沢版エコ登山を確立するために 409
5 今後の課題 411
県民の風景観(糸長浩司・杉浦高志) 412
1 風景の価値とは 412
2 校歌にみる丹沢風景 412
3 都市住民の山岳山麓風景意識 413
4 今後の課題 417
第5章 自立と協働による地域再生 419
住民参加による総合調査(糸長浩司) 419
1 地域密着型の社会実験的な調査 419
2 個別の調査手法 420
官民協働でのワークショップとフォーラム(奥村玄) 423
1 市町村ワークショップの目的と概要 423
2 ワークショップの内容と成果 423
3 地域再生フォーラム 426
4 全体的な成果 427
登山団体による登山道環境整備活動(鈴木茂) 428
1 みろく山の会について 428
2 登山道整備活動 428
3 登山道巡視活動 430
4 高校生の登山道補修体験 430
5 今後の展望や課題 431
寄地区の地域自立アクション(日暮晃一・堀田志津子) 432
1 限界集落の存続に向けて 432
2 寄の地域問題 432
3 住民による地域マネジメントの展開 433
4 地域再生マネジメントシステムの構築と課題 439
第6章 エコツーリズムと環境教育 441
丹沢大山地域の環境教育活動(田畑伊織) 441
1 調査の目的 441
2 アンケート調査の概要 441
3 アンケート結果 442
4 今後に向けた課題 443
小学校での環境教育(藤沢直樹) 448
1 児童期からの環境教育の重要性 448
2 アンケート調査の概要 448
3 環境教育の場としての活用状況 449
4 教育委員会へのヒアリング調査結果 451
5 今後の課題 451
里山再生の市民活動(藤沢直樹) 453
1 里山再生活動の活発化に向けて 453
2 里山整備に取り組む団体の抱える課題と展望 453
3 ネットワーク化に対する意識 454
4 BTCV的ネットワーク組織構築への考案 455
5 丹沢版BTCVの提案 456
第7章 地域の再生活動の事例 459
旧藤野町篠原の里/廃校活用(糸長浩司) 459
1 地域住民主体の山麓地域づくりの意義 459
2 「篠原の里」の概要 459
3 「篠原の里」の組織活動 460
4 「篠原の里」の課題 461
5 子どもの成長環境としての意義 462
6 保育の場としての評価 463
7 まとめ 464
伊勢原の里山再生NPO活動(藤沢直樹) 465
1 地域外発型の取り組み 465
2 NPO伊勢原森林里山研究会 465
3 日向地域坊中・高橋地区「石雲寺の森」での森林整備 466
4 樹林地整備を越えて地域づくりへ 467
5 今後の課題 468
西丹沢のエコツーリズム(吉田直哉) 470
1 丹沢から発信しよう!本当のエコツーリズム 470
2 盛り上がった担い手育成 471
3 エコツアーの拠点整備 471
4 丹沢のエコツーリズムのこれから 472
コウノトリと共生する地域づくり(藤沢直樹) 474
1 コウノトリが再びはばたく 474
2 コウノトリも住める環境づくりへ 474
3 コウノトリ野生復帰事業への地域住民団体の参加 476
4 今後の課題 477
ツシマヤマネコとの共生地域づくり(關正貴・糸長浩司) 478
1 国境の島 478
2 ツシマヤマネコとその保護の取り組み 478
3 ツシマヤマネコ共生村協議会 479
4 焼畑農業「木庭作」(こばさく)の復活 480
5 ツシマヤマネコ共生米づくり 480
6 ツーリズム展開に向けた大学インターン生の受け入れ 481
7 対馬での生き物共生の地域づくりの今後 482
放射能で汚染されたエコロジカルな村づくりの苦闘(糸長浩司) 483
1 放射能で汚染された飯館村 483
2 スローライフな暮らしづくり、村づくり 483
3 「までえな避難村」の建設へ 484
第5編 丹沢の再生(編者:木平勇吉、原慶太郎、谷川潔) 487
はじめに(木平勇吉) 489
第1章 丹沢大山総合調査の歴史(新堀豊彦) 491
1 総合調査の歩み 491
2 1963年の調査 492
3 1997年の調査 492
4 2004年の調査 493
5 まとめ 494
第2章 市民による自然保護活動 495
水源環境保全税制の発足と市民参加(吉村妙子) 495
1 「水源環境保全・再生かながわ県民会議」への参加 495
2 「水源環境保全税」と市民参加 495
3 水源環境保全・再生かながわ県民会議 497
夏休み親子自然探検隊(有川百合子) 504
1 夏休み親子自然探検隊とは 504
2 第8回夏休み親子自然探検隊の様子 505
3 参加者の感想 509
やどりき水源林でのボランティア活動(久保重明) 511
1 かながわ森林インストラクターの会について 511
2 やどりき(寄)水源林について 511
3 やどりき水源林内での活動 512
4 やどりき水源林以外の地域での活動 515
5 ボランティア活動を通して思うこと 516
水源の森を守るNPOの活動(石村黄仁) 518
1 NPO法人緑のダム北相模 518
2 市民団体がFSC森林認証を取得 518
3 かながわボランタリー基金21と森づくり3原則 519
4 協働事業の成果 520
5 利己主義から利他主義へ 521
第3章 自然公園としての丹沢大山の保護と利用(谷川潔) 523
1 「自然公園」とは 523
2 自然公園管理上の問題点 524
3 自然公園管理の現状 525
4 管理方針の検討 528
第4章 森林観光レクリエーション問題と丹沢の再生(田中伸彦) 531
1 近代日本人の余暇の過ごし方 531
2 レジャー・レクリエーションをめぐる自然地域の管理 536
3 地域との交流の視点―住まうということ― 539
第5章 国有林の自然再生事業(松井貞臣) 543
1 「丹沢緑の回廊」の設定とモニタリング調査 543
2 植生保護柵の設置 548
3 今後の課題 549
第6章 丹沢再生の理念と方法 551
科学的な調査と情報システム(原慶太郎) 551
1 「情報整備調査」の重要性 551
2 環境と情報 552
3 情報のプラットフォームづくり 553
4 順応的管理に必要な情報の収集 554
5 科学的データに基づいた総合解析 554
6 今後の課題 556
丹沢自然環境情報ステーション「e-Tanzawa」の構造と働き(笹川裕史) 557
1 e-Tanzawaに求められた機能と開発の流れ 558
2 e-Tanzawa Support 559
3 e-Tanzawa Base 559
4 e-Tanzawa WEB 560
5 e-Tanzawaのこれから 562
丹沢再生の基本原則(羽山伸一) 563
1 統合型管理 563
2 順応的管理 564
3 参加型管理 565
丹沢大山自然再生委員会の役割(木平勇吉) 567
1 目的と構成 567
2 自然再生活動の背景 567
3 丹沢大山自然再生委員会の発足 569
4 再生委員会の運営と活動実績 570
5 再生委員会の運営と活動の評価 575
6 再生委員会の将来 576
第7章 私の願う丹沢の将来 579
丹沢の将来の姿(木平勇吉) 579
丹沢の試みに期待する(勝山輝男) 583
植生保護柵のない丹沢を目指して(田村淳) 585
豊かな動物相の保全と再生に向けて(山根正伸) 587
丹沢と市民と行政の将来(羽山伸一) 591
地域社会の将来像と再生策(糸長浩司) 593
自然・人間・文化(原慶太郎) 598
執筆者紹介 601
あとがき(木平勇吉) 611
前書きなど
●「はじめに」から
今、丹沢山地には自然再生の兆しが見えてきた。過去10年間に森の中でさまざまな調査と事業が進められ、多くの成果と知識が得られた。さらに、これから取り組むべき課題がはっきりしてきた。これらを平易に解説して、多くの丹沢ファンに伝えることが、この本を出版する目的である。
2010年代は、丹沢の自然再生の時代として期待できる。これを実現する原動力は、行政官、企業、研究者を含めた新しい積極的な市民であり、長く継続する市民力である。これまでの活動を記録し、次の世代の市民活動へつなげること、すなわち、丹沢山地を舞台として自然再生を掲げた社会的な運動をさらに広げることが、この本の願いである。
編者を代表して 木平勇吉
版元から一言
丹沢山地で進められている自然再生プロジェクトの全貌をまとめた貴重な1冊。「市民力」で自然と森を甦らせるための新しいバイブルです。オールカラー。
著者プロフィール