森と木と人のつながりを考える

 

「田舎暮らし」と豊かさ
コモンズと山村振興

自然科学

奥田 裕規(編著) / 井上 真(著) / 大久保 実香(著) / 三俣 学(著) / 齋藤 暖生(著) / 田中 求(著) / 八巻 一成(著)

四六判  180ページ 並製
価格 1,650円 (本体価格 1,500円)
ISBN978-4-88965-245-1 C0061
在庫あり

奥付の初版発行年月 2016年01月
書店発売日 2016年01月21日

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解説

「田舎」が持つ豊かさを共有するために! 入会林利用、和紙づくり、希少植物保護の現実を通して進むべき道を示す。

紹介

「田舎」が持つ豊かさを共有するために! 入会林利用、和紙づくり、希少植物保護の現実を通して進むべき道を示す。

目次

はじめに 3

第1章 「田舎暮らし」の理論 奥田裕規・井上真 11
1.内発的発展とコモンズ
2.里山=入会林野というコモンズ
3.地域住民から離れていったコモンズ
4.新たなコモンズのあり方とは

第2章 「田舎暮らし」を始める人たち 奥田裕規 23 
1.田舎に帰って来ない子供たち
2.田舎暮らしを始める人たち
3.田舎暮らしを始める時に必要とされるもの

コラム 郊外育ちの私と山村 大久保実香 30
1.郊外育ちの私
2.山村へ
3.村と町を行き来する人たち
4.村に集う子供・若者たち
5.郊外育ちの他出二世として
6.村を見つめ直す

第3章 「田舎暮らし」のネットワーク 奥田裕規・井上真 47
1.4つの地域の概要
2.地域のネットワークと内発的発展
3.変化するコモンズの必要度

第4章 コモンズの自治を取り戻す 三俣学・齋藤暖生 65
はじめに
1.問題の背景――地域の概要と財産区制度
2.稲武13財産区の悲劇
3.問題解決に向けた打開策の模索
4.残された課題――財産区の制度的限界
おわりに

第5章 「田舎暮らし」で伝統を受け継ぐ 田中求 101
1.消えつつある「田舎の財産」としての和紙
2.消えゆく「和紙の里」
3.「和紙の力」を脅かす問題点
4.「田舎暮らし」で和紙原料を活かす道

第6章 地域主体のガバナンスをどうつくるか 八巻一成 139
1.レブンアツモリソウというコモンズ
2.礼文島とレブンアツモリソウ
3.レブンアツモリソウを守るための取組
4.ガバナンスの変化
5.レブンアツモリソウと地域との関係の変化
6.地域のレジティマシーを高めるガバナンスへ

筆者紹介 167

おわりに――この本でいいたかったこと 175

前書きなど

●「はじめに」から
 高野辰之(作詞家)が書いた「故郷」という童謡には、故郷から出て行った人たちの、故郷から出ていくときの思いが込められている。「忘れがたき 故郷」と語り、「志をはたして いつの日にか 帰らん」と結んでいる。このように、若い人たちを中心に田舎に住む多くの人たちが、都会にあこがれ、より高い収入や便利な暮らしを求めて、田舎から出て行った。
 そして、志を果たした後、田舎に帰ってきているか――現実には都会に出て行ったきりとなっており、その結果、田舎の過疎化・高齢化が、急速に進んでいる。
(中略)
 本書は、物質的な豊かさではない、自由になる時間の多さなどの、人が生きていくなかで、自分の暮らしが豊かであると実感できる田舎暮らしと彼らの周りにある環境や地域資源との関係の取り持ち方や地域内外の人・組織と地域資源の関係の繋ぎ方について、北海道から九州まで、日本の田舎の実態をつぶさに見てきた研究者たちが悩み、試行錯誤を繰り返しながら分析を加えた成果と葛藤が書き連ねられている。
 この本が、「豊かな暮らし」とはどのようなものか、田舎暮らしのよさについて、考えるきっかけづくりになってくれれば、これほどうれしいことはない。

版元から一言

「田舎」が持つ豊かさを共有するために! 入会林利用、和紙づくり、希少植物保護の現実を通して進むべき道を示す。

著者プロフィール

奥田 裕規(オクダ ヒロノリ)
井上 真(イノウエ マコト)
東京大学農学生命科学研究科教授
大久保 実香(オオクボ ミカ)
滋賀県立琵琶湖博物館学芸員
三俣 学(ミツマタ ガク)
兵庫県立大学経済学部教授
齋藤 暖生(サイトウ ハルオ)
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林富士癒しの森研究所助教
田中 求(タナカ モトム)
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター准教授
八巻 一成(ヤマキ カズシゲ)
森林総合研究所北海道支所北方林管理研究グループ長

上記内容は本書刊行時のものです。

1,650円
(本体価格 1,500円)

在庫あり

 

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