海外・国際問題12

森林経済学とその政策への応用


森林経済学とその政策への応用
ウィリアム・F・ハイド, デヴィッド・H・ニューマン, ロジャー・A・セジョー, 大田 伊久雄 訳
A5判 148ページ 並製
ISBN978-4-88965-073-0 C3061
在庫あり
奥付の初版発行年月:1996年04月

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定価:2,381円(税込2,571円)

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内容紹介

一般経済学の手法を用いて、持続可能な森林経営の道筋を示した、世界銀行レポートの邦訳書。天然林の管理、木材の適正利用、エコツーリズムなど、多角的な分析が行われています。

目次

第1章 はじめに

第2章 森林経済学の基礎概念
 A 木材生産
  2.A.1 短期における目的
  2.A.2 長期における最適化
  2.A.3 保続生産林への移行問題
  2.A.4 木材生産に関する森林経済学の特殊性
 B 木材の多用途利用および木材以外の森林資源・サービス
  2.B.1 木材利用の代替・補完関係
  2.B.2 木材および非木材価値の評価
  2.B.3 林業の複合生産における特別な経済学

第3章 森林経済学の個別問題
 A 木材生産:人工林および天然林経営
  3.A.1 木材生産のための天然林経営
  3.A.2 開発と林業
  3.A.3 商業生産と貿易
 B 小規模経営
  3.B.1 先進国の状況
  3.B.2 開発途上国の状況
 C 林業研究
  3.C.1 林業研究の評価
  3.C.2 開発途上国への応用
 D 権利の確保:契約と保有権
  3.D.1 伐採権
  3.D.2 小規模所有者の権利
 E 政策の波及効果
  3.E.1 ブラジルとフィリピンの事例
  3.E.2 その他の場合
 F 多目的利用、複合生産、市場外の林産物
  3.F.1 地球規模の気候変動
  3.F.2 生物種の多様性
  3.F.3 エコツーリズム
  3.F.4 フルーツ・ナッツ・天然ゴム・飼料・薪炭材・アラビアゴム
  3.F.5 浸食
 G 森林破壊と持続可能性
  3.G.1 「木材飢饉」の否定
  3.G.2 森林資源の特殊性
  3.G.3 結論

第4章 森林政策学分析の教えるもの
 A 森林学における経済学的手法の特徴
 B 森林政策

参考文献
付録A 熱帯林の管理:地代の分配をめぐる議論にかかわって
付録B 地代と伐採弾力性
付録の参考文献
訳者によるあとがき

前書きなど

 一般的に受け入れられている経済学理論の森林学分野への応用は、これまで余り積極的には取り組まれてこなかった。それは、森林・林業が、その他の経済分野とは大きく異なっていると、昔から思われてきたからである。森林政策は、それゆえ資源配分に関する明確なルールのないままに行われてきた。世界銀行は、森林資源に対する積極的な投資に努め、債務国における持続可能な森林管理に向けた政策展開に協力してきているが、近年そうした政策提言をこれまでの森林経済学の研究成果の上に立って行う必要性がより高まってきている。森林経済学研究の包括的検討に基づく本書は、森林・林業に対して不利な影響を与えかねない経済学的誤謬を数多く指摘している。
 この研究は、世界銀行のアジア地域技術部門と農業・地域開発部門とで行っている広範な森林学研究の一環として行われた。現在、アジア部門の森林・林業に対する中心的な課題は、より進んだ技術援助と木材産業への投資である。また、研究面では、技術・情報提供・ソーシャルフォレストリーに関する総合的な分析に焦点が置かれている。農業・地域開発部門では、森林政策に関する出版助成を行っており、さまざまな分野の政策に関する研究書の刊行が今後も予定されている。
 本書の著者らは、理論から応用にいたる広範囲な研究文献の検討を通して、一般経済学の分析手法が、森林資源の最適配分に関して極めて有効であることを明らかにした。森林・林業に関してそうしたアプローチをとることには、概念的にも経験的にも限界があることを認識しつつも、彼らは一般経済学の分析手法を森林政策の分析に応用するに当たっての、有益な議論を展開している。

世界銀行アジア地域技術部長 ダニエル・G・リッチー
世界銀行農業・地域開発部長 マイケル・J・ペティー

担当から一言

開発から保全へ、世界銀行の方針転換が読み取れます。