人工林ハンドブック 1 理論編


人工林ハンドブック 1 理論編
林 進
B6判 154ページ 並製
ISBN978-4-88965-176-8 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年10月
書店発売日:2007年10月29日

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定価:1,429円(税込1,543円)

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内容紹介

市民が安全に森林作業をするための入門書。『人工林ハンドブック 2 実践編』とセットでどうぞ!

目次

「目次」から
はじめに 3

第1章 人工林と林業の危機−大量発生する「間伐手遅れ林」
1 日本の人工林は、今どのような状態か 13
(1)日本は世界有数の森林国 13
(2)森林の40%が人工林 13
(3)人工林の年齢構成 14
(4)若齢林は育成期にある森林 14
(5)放置される人工林の増加 16
2 間伐手遅れ林の弊害 18
(1)森林の成長量と活力が低下する 18
(2)森林内の生物多様性が低下する 18
(3)山地災害が多発する 19
(4)森林の表土流出の危険が増す 20
(5)間伐を実行しても、自然植生の導入が困難になる 21
(6)伐採した後の森林回復が困難になる 22
3 日本の林業の問題点−なぜ間伐が進まないか− 23
(1)人工林林業と里山林 23
(2)人工林の大量造成期〜戦後復興期 24
(3)外材輸入の増大〜高度経済成長期 26
(4)日本林業の弱さの露出〜外材輸入が明らかにしたこと 26
(5)代替材の進出と木材需要の変化 28
(6)山村の過疎化の進展〜林業労働力の喪失 29

第2章 林業再生のために−新たな「森林産業像」を描く
1 人工林の弱点を消去する 33
(1)日本の人工林の利点〜齢級集中の弱点消去 33
(2)天然林資源略奪の限界〜育成コストの弱点消去 34
(3)長期にわたる利用〜生産長期性の弱点消去 35
(4)生産の個性化が可能〜規格、統一性の弱点消去 36
2 多様な森林づくり技術を組み立てる 39
(1)短伐期から長伐期への転換技術 39
(2)労賃を節約し、収益を上げる技術 41
(3)社会経済の変動に強い森林づくり技術 42
(4)環境林をつくる技術 43
3 「環境支払い型」の林業を組み立てる 45
(1)「環境保全」から「環境支払い」への転換 45
(2)環境としても豊かな人工林をつくる 45
(3)森林の機能を多様化する 46
(4)新しい知見、技術及び機械化などを学ぶ 47
(5)遺伝子の保全に配慮する 48
(6)森林を単純化しない 49
(7)「合自然性原則」を確立する 50

第3章 樹木と森林の基礎知識−森林に関わる下準備
1 樹木を知る 59
(1)草本(草)と木本(樹木)の違いを知る 59
(2)林内の光条件への反応の仕方を知る 60
(3)光環境が多様な森林をつくることを知る 62
(4)樹木の区分を知る 63
(5)花や実を見分ける 66
(6)葉を見分ける 66
(7)樹皮、樹形、冬芽などを見分ける 72
(8)生育場所から見分ける 73
(9)樹木の形態や機能を見分ける 76
2 森林のしくみを知る 81
(1)森林のタイプを知る 81
(2)森林のシステムを知る 84
(3)森林の変化する姿を知る 91
3 森林の働き(機能)を知る 95
(1)森林の機能分類 95
(2)森林機能を守る仕組み・保安林制度 99
(3)森林の状態を管理する 99

第4章 森林に関わる基礎技術
    −人と森林との関わりを見直す
1 森仕事=林業の本質 105
(1)二つのプロセスを持つ 105
(2)迂回的プロセスを持つ 106
(3)森林は「容器」である 107
(4)森林の動きに適応する 108
2 林業における仕事のながれ 109
(1)森林づくりのプロセス 109
(2)木材生産のプロセス 112
3 「森林を守る」ことの意義 116
(1)森林を育て、木を使う文化を守る 116
(2)森林を守るシステムを築く 118

第5章 森林の診断技術を身につける
    −「森林のカルテ」づくり
1 森林を調べるポイント 121
(1)調べる目的 121
(2)調べる項目 121
2 何を、どう診断するのか 126
(1)林分の概要を把握する 126
(2)基本カルテを作成する 127
(3)項目別診断・評価内容 128
(4)項目別森林の診断・評価のポイント 129

参考文献 151

前書きなど

「はじめに」から
全国各地で、一般市民が参加する自発的な森林の整備・保全活動、いわゆる森林ボランティア活動が行われるようになってきました。このような活動は、当初は身近な里山林・雑木林や竹林で広がり、現在では生活領域からはやや離れた山地にある人工林の保全・整備活動に参加する一般市民が徐々に増えてきています。日本の自然環境を守り、次代に引き継いでいくためには、身近な里山林などだけでなく、山地に広がる人工林の保全・整備が必要であることに、多くの人々が気づき始めています。
ただし、このような人工林は、里山林などとは異なり、傾斜のきつい、作業条件の厳しいところに成立しています。また、樹種もスギやヒノキといった針葉樹が中心で、主として用材(建築用などに使われる木材)の生産を目的にしています。
これまで、スギやヒノキなどの人工林の整備・保全は、「林業というプロの世界」に属するものであり、一般市民=素人には手が出せない領域とされてきました。しかし、木材価格の低迷などが続く中で、林業という産業が経営面でかつてない厳しい状況に追い込まれ、林業のプロの力だけでは、人工林の整備・保全が十分に行われない状況になってきています。その一方で、一般市民が森林を整備・保全する知識や能力は、着実に高まってきています。
本書(『人工林ハンドブック 1 理論編』)と、姉妹編である『人工林ハンドブック 2 実践編』は、このような現状を踏まえて、一般市民が日本の人工林にどのように関わっていくべきかを、わかりやすく解説したものです。
特に、本書(理論編)では、まず人工林の現状を理解し、これから何を学び、何をすべきかを正確に掴むことを目的にまとめました。日本の人工林の現状を知るということは、日本林業の現実を知るということにほかなりません。
 本書で得られる知見を踏まえて、具体的な人工林の整備・保全活動に関わる方々が増えていくことを期待しています。その際には、本書の姉妹編(実践編)を参考にしていただき、森林ボランティアとしてできる作業を、なによりも安全を最優先させて行うようにして下さい。

担当から一言

市民が安全に森林作業をするための入門書。『人工林ハンドブック 2 実践編』とセットでどうぞ!