社寺と国有林

京都東山・嵐山の変遷と新たな連携


社寺と国有林
福田 淳
A5判 184ページ 並製
ISBN978-4-88965-226-0 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2012年12月
書店発売日:2012年12月06日

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内容紹介

知られざる旧社寺林の実態を詳細な資料分析から明らかにするとともに、国有林との望ましい関係を描き出します。

目次

はじめに 3
序 章 9
1. 社寺と国有林の関係 11 
2. 森林管理における「歴史・文化」軸 12
3. 本書が目指すもの 14
【コラム】 旧社寺林の取扱に関する先行研究 15

第1章 社寺と国有林をめぐる歴史 19
-社寺保管林制度を中心に-
1.はじめに 21
2. 「社寺上知令」の発出 21
2.1.近世における社寺領の取扱 21
2.2. 「社寺上知令」の発出 22
2.3. 「社寺境内外区画取調規則」の発出 24
3. 「社寺保管林制度」の成立 25
3.1.「社寺上地官林委託制度」の導入 25
3.2. 「社寺保管林制度」の成立 28
4. 「社寺保管林制度」の拡充 30
4.1. 社寺境内地還付を求める政治運動の高まり 30
4.2. 「社寺保管林規則」の拡充 31
4.3. 社寺保管林の設定状況 33
5. 「社寺保管林制度」の廃止 34
5.1. 占領行政下における宗教政策の見直し 34
5.2. 「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」の制定 36
5.3. 「社寺保管林処分審査会」の開催 38
5.4. 旧保管林の処分結果 40

第2章 社寺保管林制度の実態 47
-旧京都営林署を対象に-
1. はじめに 49
2. 社寺保管林の設定状況 49
3. 社寺保管林の収支状況 51
4. 旧京都営林署管内における旧保管林の処分状況 53
4.1.旧保管林の譲与処分手続き 53
4.2.旧保管林の譲与処分に関する文書の調査 57
4.3.考 察 64

第3章 「開いた関係」の構築 75
-東山国有林における連携の取組-
1. はじめに 77 
2. 東山国有林の概要 78
2.1. 東山国有林の概要 78
2.2.東山国有林の特徴 78
2.3. 東山国有林における施業の変遷 81
3. 東山国有林の課題 95
3.1. 多様な関係者の意見調整 96
3.2. 景観的・生態的観点からの「あるべき姿」の検討 96
3.3. 「国民の森林・国有林」の実現 96
4. 「京都伝統文化の森推進協議会」による取組 97
4.1. 経 緯 97
4.2. 趣 旨 97
4.3. 組 織 98
4.4. 活動内容 100
4.5. 連携の形態 100
4.6. これまでの活動内容 101
5. 考 察 105
5.1.シイ林拡大への危機感の共有 105
5.2. 社寺との「開いた関係」の構築 106
5.3.京都市役所の積極的な関与 106

第4章 地元・研究・行政の連携 111
-嵐山国有林における連携の取組-
1. はじめに 113
2. 嵐山国有林の概要 114
2.1. 嵐山国有林の概要 114
2.2. 嵐山国有林の歴史的・文化的資源 116
2.3. 嵐山国有林における施業の変遷 117
3. 嵐山国有林の課題 124
3.1. 植生の変化と植栽木の生育不良 125 
3.2. 獣害の発生 125
3.3. 落石被害の防止 126
3.4. 観光需要への対応 127
4. 「嵐山国有林の取扱に関する意見交換会」の開催 128
4.1. 意見交換会の開催 128
4.2. 「嵐山国有林の今後の取扱方針」の策定 129
4.3. 意見交換会のポイント 131
4.4. 取扱方針採択後の動き 135
5. 考 察 136
5.1. 旧社寺林の歴史的・文化的価値に対する再認識 136
5.2. 地域のリーダーである社寺の参画 137
5.3. 連携主導者の十分な検討 138

終 章 141
1.総括 143
2.考察 146

巻末資料 149
1.「社寺保管林規則」条文 150
2.「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」条文 153
3.「京都国際文化観光都市建設法」条文 157
4.社寺保管林設定箇所一覧(昭和22年1月時点) 160

あとがき 180

前書きなど

国有林は、明治維新の際、幕藩有林や村持入会林などが「官有地」に編入されたことに由来するが、国有林の一部に、社寺林に由来するもの(「旧社寺林」)があることはあまり知られていない。
筆者は、平成19年から22年にかけて、近畿中国森林管理局京都大阪森林管理事務所において、京都市内に所在する旧社寺林の管理経営に携わる機会を得た。旧社寺林には複雑な歴史的経緯があることから、京都市内の旧社寺林でも、社寺との間で必ずしも良好な関係が構築されてこなかったように見受けられた。そこで、筆者は、旧社寺林の取扱に関する歴史的経緯について改めて整理を行った上で、そこで得られた歴史認識も踏まえながら、旧社寺林である東山国有林と嵐山国有林を対象に、社寺を含む地元関係者との協力関係を構築する取組を行ってきた。
本書では、旧社寺林における社寺を含む地元関係者との連携を進める観点から、旧社寺林の取扱に関する歴史的経緯を明らかにするとともに、筆者が東山国有林と嵐山国有林で取り組んだ経験から、国有林当局と社寺を含む地元関係者が連携を図るに当たって考慮すべき点を抽出する。巻末には、資料として、昭和22年時点における全国における社寺保管林の設定箇所リストも掲げた。
本書により、旧社寺林への関心が高まり、旧社寺林を対象とする研究と実践が更に広がることを期待したい。

担当から一言

知られざる旧社寺林の実態を詳細な資料分析から明らかにするとともに、国有林との望ましい関係を描き出します。