森林リモートセンシング 第4版

―基礎から応用まで―


森林リモートセンシング 第4版
加藤正人
B5 400ページ 並製
ISBN978-4-88965-238-3 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2014年04月
書店発売日:2014年04月17日

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内容紹介

全国の大学などで使われている標準テキストの第4版です。最新技術の基本から高度な活用方法まですべてがわかります。

目次

序(加藤正人) 3
執筆者一覧 5
第1章 森林リモートセンシング 13
 1.本書の目的(加藤正人) 14
 2.森林の現状と課題(加藤正人) 14
 3.森林リモートセンシングの役割(加藤正人) 15
 4.森林リモートセンシング研究の歴史(加藤正人) 16
 5.研究動向(加藤正人) 25
 6.日本の森林リモートセンシングの課題(加藤正人) 28
 7.日本の森林リモートセンシングの対応(飯坂譲二) 29
第2章 インターネットでふれる森林リモートセンシング 33
 1.Google Earth(古橋大地) 34
 2.リモートセンシングに役立つツール(古橋大地) 38
 3.森林関連サイト 「ぎふ ふぉれナビ」他(竹島喜芳) 42
 4.地球観測衛星データのウェブサイト(伊藤恭一) 45
第3章 リモートセンシングの基礎 49
 1.リモートセンシングの概念(露木聡) 50
 2.電磁波の性質と波長帯域(露木聡) 52
 3.物体の分光反射特性(露木聡) 54
 4.衛星画像を見る基礎─アナログ画像とデジタル画像─(露木聡) 56
第4章 森林調査と利用できるデータ 61
 1.リファレンスデータ(松英恵吾) 62
 2.森林調査(松英恵吾) 63
 3.測量(竹島喜芳) 66
 4.森林境界明確化(竹島喜芳) 70
 5.利用できるデータ (松英恵吾) 72
第5章 デジタル標高モデル(DEM) 75
 1.DEMとは(村上拓彦) 76
 2.国土地理院提供DEM(村上拓彦) 78
 3.ASTER GDEM(村上拓彦) 80
第6章 GNSS 83
 1.GNSSとは(露木聡) 84
 2.測位データの利用(露木聡) 90
第7章 空中写真 99
 1.演習作業の準備(加藤正人) 100
 2.空中写真の基礎知識(加藤正人) 102
 3.空中写真の立体視(演習)(加藤正人)  108
 4.地形と林相の判読(加藤正人) 112
 5.デジタルオルソ化(米康充) 116
 6.材積計測(米康充) 118
 7.空中写真の立体視・計測(中北理) 122
 8.3Dソフト (竹島喜芳)―― 124
第8章 レーザ計測 127
 1.航空レーザ(LIDAR)(秋山幸秀) 128
 2.地上レーザ(森林計測)(中村裕幸)  133
 3.地形解析(陰陽図)(秋山幸秀)  136
 4.地形解析(赤色立体地図)(大野勝正) 138
 5.地形解析(CS立体図)(戸田堅一郎)  140
 6.樹高(LIDAR)(秋山幸秀) 142
 7.木質バイオマス(加藤顕) 144
 8.森林ゾーニング(大野勝正) 146
 9.蓄積マッピング(平田泰雅) 148
第9章 人工衛星とセンサ 151
 1.人工衛星(伊藤恭一) 152
 2.センサ(伊藤恭一) 153
 3.データの提供(入手方法)(伊藤恭一) 156
第10章 ALOS衛星 161
 1.ALOS(陸域観測技術衛星)と後継衛星(島田政信)  162
 2.SAR(合成開口レーダ)(飯坂譲二) 166
 3.森林バイオマス(後方散乱係数)(小川崇) 172
 4.森林バイオマス(干渉SAR)(和田裕) 174
 5.森林バイオマス推定(4偏波)(渡辺学) 176
第11章 森林の反射特性 179
 1.地上観測(加藤正人)180
 2.衛星観測(加藤正人)188
第12章 変換、特徴抽出 195
 1.カラー合成(松英恵吾) 196
 2.画像強調(松英恵吾) 198
 3.主成分分析(松英恵吾) 202
 4.植生指数(松英恵吾) 204
 5.地形効果補正(村上拓彦) 210
 6.きめ(Texture)(村上拓彦) 214
第13章 分 類 217
 1.分類の方法(村上拓彦) 218
 2.教師無し分類(村上拓彦) 220
 3.教師付き分類(村上拓彦) 222
 4.オブジェクトベースの分類(村上拓彦) 224
 5.分類精度(村上拓彦) 226
第14章 樹種分類 231
 1.針葉樹人工林(Landsat)(加藤正人) 232
 2.スギ・ヒノキ人工林、広葉樹林、竹林(SPOT)(村上拓彦) 234
 3.針広混交林(IKONOS)(加藤正人) 236
 4.林相区画(オブジェクト)(和田幸生) 238
 5.分類アルゴリズム(機械学習)(望月翔太) 242
第15章 森林環境 245
 1.地球温暖化対策(松本光朗) 246
 2.REDD(森林減少・劣化からの排出の削減)(平田泰雅) 248
 3.森林バイオマス(望月貫一朗) 250
 4.葉面積指数(LAI)(石井孝) 252
 5.純一次生産量(NPP)の推定(粟屋善雄) 254
 6.湿原と森林化(松英恵吾) 256
 7.高山植生(小熊宏之) 258
 8.森林水文(戎信宏) 260
 9.野生動物(望月翔太) 262
第16章 森林の物理量 265
 1.樹木位置(古家直行) 266
 2.樹冠(古家 直行) 268
 3.立木本数密度(スギ・ヒノキ人工林)(古家直行) 270
 4.材積(スギ・ヒノキ人工林、広葉樹林)(村上拓彦) 272
 5.間伐地の半自動区分(加藤正人) 274
 6.樹種別本数の算定(加藤正人) 276
第17章 モニタリング(海外編)279
 1.世界の森林資源(FAO)(平田泰雅) 280
 2.森林モニタリング(シベリア)(阿部信行) 282
 3.森林減少のトレンド解析(ラオス)(和田幸生) 284
 4.伐採地抽出(インドネシア・カリマンタン)(露木聡) 288
 5.森林火災(インドネシア・カリマンタン)(露木聡) 290
 6.森林火災(東南アジア)(竹内渉) 292
 7.斜面崩壊地の把握(中国四川大地震)(村上拓彦) 294
第18章 モニタリング(国内編) 297
 1.国家森林資源データベース(松本光朗) 298
 2.広域災害把握(東日本大震災)(山崎文雄) 302
 3.津波と海岸林消失(東日本大震災)(鎌形哲稔) 306
 4.ステレオ空中写真解析による津波で流失した海岸林の抽出(中北理) 308
 5.浸水区域と海上浮遊物(東日本大震災)(李雲慶、鈴置由紀洋) 310
 6.風倒被害(北海道支笏湖畔)(菅野正人) 312
 7.噴火被害(北海道有珠山)(菅野正人) 314
 8.シカの行動(日野 彰彦、金子正美) 316
 9.マツクイムシ被害推定(大石貴久) 318
 10.伐採地の抽出(九州地方)(村上拓彦) 320
第19章 森林GIS 323
 1.GISの概要(松村直人) 324
 2.GISの構成(松村直人) 326
 3.森林管理とGIS(松村直人) 330
 4.国有林(山田雅晃) 334
 5.都道府県有林(望月貫一郎) 338
 6.森林組合(岐阜県)(竹島喜芳) 342
 7.森林GISフォーラム(露木聡) 346
第20章 森林GISの自治体利用例 349
 1.北海道(渡辺一裕) 350
 2.秋田県(畠中恵) 356
 3.岐阜県(園山英昭) 360
第21章 これからの観測 365
 1.地球観測衛星の利用促進(前原正臣) 366
 2.UAV(回転翼)─森林材積推定─ (加藤正人) 370
 3.UAV(固定翼)(竹島喜芳) 372
 4.ハイパー(加藤正人) 374
 5.航空機搭載型センサ(望月貫一郎) 378
 6.利用分野の拡大と展望(村上拓彦) 382
付 録 385
 1.引用・参考文献 386
 2.大学で開講している森林リモートセンシングのシラバス 404
 3.専門研修のシラバス 417
 4.索引 420
おわりに 429

前書きなど



 森林を観測すること、すなわち、計測は森林科学の基本である。森林は、多種多様な樹木から構成され、毎年、成長したり枯れたり変化する。また、人為による森林伐採や森林火災などグローバルな森林被害が世界各国で起こり、CO2発生による地球温暖化や貴重な動植物の種保存の危機、生態系の破壊などの問題を引き起こしている。こうした地球環境の監視のツールとして、地球表面の様子をマクロに捉えるリモートセンシング技術は発展してきた。コンピュータをはじめとするITの進展、多様な人工衛星と新しい観測センサの出現、それに伴う解析技術やソフトウェアが開発されている(図1)。森林リモートセンシングの現状や利用事例について、学生の卒業研究や森林に関係する学会においても、毎年多くの発表がある。都道府県の森林行政官からも、問い合わせが増えている。大学の講義では、森林調査論、森林計測学、森林航測学、リモートセンシング論や森林情報学と名称が変わりながら学習範囲を広げており、測量士補や森林情報士など専門技術者養成の認定科目の1つとなっている。
 森林科学を専攻する学生、そして最大の利用ユーザーである森林・林業技術者を対象とした、リモートセンシングに関する標準テキストが本書である。第4版の改訂にあたって、森林リモートセンシングに関する最新の情報を網羅して充実することを念頭に置いた。新技術として、GNSSやレーザ計測、東日本大震災のモニタリング、森林GISを拡充した。応用例や利用例についても最新事例に変更した。一方、紙面の総ページ数に限りがあるので、初版(2004年)、2版(2007年)、3版(2010年)で紹介してきた基礎技術や応用事例などは一定の役割を果たしたという判断で削除した。
 森林を適切に管理するためには、社会的なニーズをもとに森林調査から、GNSS、リモートセンシング、GIS、そして情報発信に至る総合的な森林の情報管理が必要である(図2)。本書の内容は、リモートセンシングの基礎から応用までの範囲とし、読者が学習しやすいように、基礎(ステップ1)、画像処理(ステップ2)、応用(ステップ3)の3区分に大別した。特に森林分野の応用事例を多くして、現状とその可能性と限界を明らかにすることにした。そして、文章の内容をわかりやすくするために、写真と図表を多く使用し、見開きの1ペ-ジに解説の文章、対向ページにその図表を配置することを基本とした。
 基礎(第1章から第11章)では、森林リモートセンシングの目的や歴史、入門者を対象にネットで衛星画像を見る、リモートセンシングの基礎理論、森林調査と利用できるデータ、山岳地形の日本の森林解析に必要なデジタル標高モデル、戦後から現在まで利用が継続している空中写真判読、新技術のレーザ計測、人工衛星とセンサ、国産ALOS衛星、森林の反射特性からなる。
 画像処理(第12章から第13章)は、学生や技術者など自分で衛星画像を操作して扱ってみたい方のために記載した。画像に含まれる情報を見やすく変換したり、特徴を抽出する方法、広域を観測した画像データを分類する方法からなる。
 応用(第14章から第21章)は読者が最も関心の高いところであり、樹種分類の最新技術、森林環境に高山植生と野生動物を追加した。森林の経年変化と災害モニタリングは海外森林と国内森林で章を別立てした。2011年3月に発生した東日本大震災は日本周辺における観測史上最大の地震である。モニタリング事例として広域災害、海岸林消失、浸水区域と海上浮遊物を追加した。また、国内森林で大きな課題になっているシカの行動とマツクイムシ被害推定を追加した。森林GISは森林情報士の学習テキストとして必要なGISの構成、GISのデータモデルを追加した。森林管理でどのように使われているのかについて、国有林、都道府県、森林組合の紹介と、産官学連携組織として活動する森林GISフォーラムについて記載した。森林GISの自治体利用事例では森林クラウド標準化事業の委員で都道府県のモデルとなっている北海道、秋田県、岐阜県の担当者が執筆した。最後に、これからの観測(第21章)では、多方面で利用され始めた無人航空機UAV(回転翼・固定翼)の事例を記載した。以上、本文はリモートセンシングを中心として、森林情報を網羅する形で、それぞれの分野の第一線で活躍している方々に加わっていただいた。自信をもって読者に贈るテキストである。多忙の中、ご協力いただいた執筆者の方々にお礼申し上げる。
 先端技術の1つであるリモートセンシングは、新センサの開発や他技術との統合利用など技術発展が著しい。学生を含めた技術者や研究者が今後も取り組まなければならない課題が多い。一方、フィールドの森林を対象とする森林リモートセンシングの研究では、研究室だけで結果を出すのではなく、森林観察や調査を行いながらセンサに撮像された観測値や色調の違いから謎を解き明かす姿勢が求められている。さらに言えば、森林科学の技術として、現場(「山で働いている人」)に技術を使ってもらい、業務に役立ててもらう努力と林業収入への貢献を目指すことが重要である。科学的水準をキープしながら、「現実」にどこまで近づけられるか、分類結果については現地検証を通じて謎解きを行い、課題や限界も同時に示す必要がある。本書を通じて、森林リモートセンシングの理解が促進されれば、著者らの喜びである。
 最後に、本書の出版にご支援いただいた日本林業調査会(J-FIC)の辻潔氏にお礼申し上げる。
 2014年4月
 執筆者を代表して  加藤 正人

担当から一言

全国の大学などで使われている標準テキストの第4版です。最新技術の基本から高度な活用方法まですべてがわかります。