森林環境と流域生態圏管理


森林環境と流域生態圏管理
小川滋
A5判 340ページ 並製
ISBN978-4-88965-241-3 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2015年02月
書店発売日:2015年03月12日

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定価:2,500円(税込2,700円)

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内容紹介

「環境と生物」の関わりを基本に、流域管理の望ましいあり方を示す!

目次

第1章 環境と生物 11
1-1 地球史における環境と生物 11
1-2 人類史における人類の活動と環境 16
1-3 地球システムの特性 24
1-4 地球規模での物質の大循環と自然生態系 28
1-5 フィールドサイエンス 32

第2章 森林生態系と水循環 41
2-1 森林―土壌―水 42
2-2 森林山地斜面の水循環 46
2-3 土壌中の水の動き 47
2-4 森林地からの流出の素過程 54
2-5 流出現象と流出モデル 63
2-6 流出現象の時間的分類 65
2-7 流出現象の支配的要因の時・空間特性の構成の考え方による分類 67
2-8 概念モデル(集中型モデル、応答モデル) 68
2-9 物理モデル(雨水流モデル) 72
2-10 雨水流モデルと流出課程における物理要因との関係 75
2-11 分布型流出モデルの意味 78

第3章 森林の環境保全機能 83
3-1 森林生態系と環境保全機能 83
3-2 地球環境保全機能 88
3-3 森林吸収と地球温暖化対策および今後の課題 91
3-4 気候保全機能 107
3-5 水流出に与える影響 112
3-6 洪水流出緩和機能 121
3-7 水源涵養機能 130
3-8 水質保全機能 147
3-9 森林と斜面浸食 155
3-10 土砂生産と降雨流出 158
3-11 土壌侵食と降雨-流出モデル 161
3-12 森林の防災機能 169
3-13 大気環境保全機能 171
3-14 風速減少・緩和機能 175
3-15 大気水分捕捉機能(防霧機能) 183
3-16 防護柵的機能 185
3-17 樹冠部の障壁的機能(防火保安林、防音林) 193
3-18 保健・風致・景観・その他総合的機能 196
3-19 保安林行政 199
3-20 森林の防災機能のまとめ 199

第4章 流域生態圏管理 211
4-1 流域生態圏の考え方と流域生態圏管理の研究 211
4-2 生態系における物質循環と循環系社会 213
4-3 治山(森林生態圏管理)と流域生態圏管理 225
4-4 里海 232
4-5 里山・里地・里海と持続可能な流域生態圏環境 244

第5章 中国における生態圏管理 263
5-1 砂漠化防止と生態圏管理 264
5-2 「退耕還林(還草)事業」政策 268
5-3 ホルチン沙地における生態経済モデル 283
5-4 中国における水資源管理と河北省農業用水 305
5-5 河北省衡水市桃城区の農業用水と“一提一補”節水制度 317

あとがき 331

索引 333

前書きなど

●「まえがき」から
 この本を出版するについては、いくつかの思いがあります。
 まず、本書はこれまでの研究の「総括の書」というよりも「遺言の書」であるということです。この本には、研究的な内容よりも、私の思考方法、あるいは思いこみを公然と散りばめています。もともと自然現象については、研究者の理解を超える以上のものは説明できません。そこで、あえて私なりの理解を独断的に説明しています。いい言い方ではありませんが、現在の研究は事なかれ主義というか、あまり面白くない研究が多く、無味乾燥で、読者に感動を、あるいは反論を、または、関連する研究を励起させるようなものがあまりありません。その意味で、少し冒険的な「遺言の書」を作成したつもりです。
 第2に、九州大学を退職してから10年近くを経過しており、さらに、本書のもととなる研究、あるいは原稿には、今から20年以上も前のものもあります。古い文献が多く、最新の研究や理論については、触れることができていませんし、なんと古い研究を説明しているかとお叱りを受けるかもしれません。しかし、最近の研究をみていましても、研究の視点、考え方や問題点はそう大きくは変わっていないようです。観測機器、解析ツール、情報の収集整理、発信には驚くべき進展がみられますが、自然の本質的な理解はそうは変わらないのではないかと思っています。
 第3には、自然現象の理解を目指している研究者は、真理、あるいは理論を成果として得るわけですが、それは一つの真理、理論であって、一つの切り口にしかすぎないということです。本書で述べたものも、いくつもの解答、理論、あるいは切り口のうちの一つです。これについては、アイザック・ニュートンの言葉にもあるように「わかって喜んでいる真理は、小石や貝殻」程度で、「真理の大海は、未発見のまま、目の前に広がっている」ということです。

担当から一言

「環境と生物」の関わりを基本に、流域管理の望ましいあり方を示す!