新刊


森林のルネサンス

先駆者から未来への発信


森林のルネサンス
一般財団法人林業経済研究所 編
A5判 250ページ 並製
ISBN978-4-88965-253-6 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月:2018年05月
書店発売日:2018年06月04日

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定価:2,000円(税込2,160円)

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内容紹介

林業経済研究所創立70周年事業として、連続開催したシンポジウムの成果をまとめました。現場で活躍している先駆者の生の声が詰まっています!

目次

第1章 広葉樹ルネサンスで、 むら・まちを活かす 9
 第1報告 総論 広葉樹ルネサンスとは 土屋俊幸 11
 第2報告 広葉樹材の利用を巡る状況 天野智将 18
 第3報告 新たな森林資源 田島克己 23
 第4報告 里山広葉樹活用プロジェクト 中澤健一 28
 第5報告 アメリカ広葉樹の有効利用 辻隆洋 35
 パネルディスカッション 座長・野口俊邦 41

第2章 “里エネ”ルネサンス─活かそう地域のエネルギー─ 47
 第1報告 里エネ利用のルネサンス 安村直樹 49
 第2報告 これからの日本のエネルギー 河野太郎 56
 第3報告 熱利用が唯一最大の課題である 小池浩一郎 57
 第4報告 葛巻町森林組合の挑戦 竹川高行 63
 第5報告 身近な森林を身近なエネルギーに 木平英一 63
 第6報告 再生可能エネルギー電力固定価格買取制度(FIT)が森林経営に及ぼす影響 泊みゆき 75
 パネルディスカッション 座長・満田夏花 80

第3章 国産材ルネサンス!─創る・繋ぐ・調える 森と木のビジネス─ 89
 第1報告 国産材の振興に向けた課題 武田八郎 91
 第2報告 国産材製材と今後の山林活用 東泉清寿 99
 第3報告 川下から川上へ……。その魅力の伝え方 安成信次 103
 第4報告 国産材の需要と供給を繋ぐ仕事 川畑理子 112
 パネルディスカッション 座長・藤掛一郎 119

第4章 森林と食のルネサンス─創る・楽しむ・活かす 新たな山の業─ 127
 第1報告 特用林産と森林社会 齋藤暖生 129
 第2報告 ニホンミツバチの蜜の再生産と森林資源 村井保 137
 第3報告 獣害対策と食文化の復興 石崎英治 141
 第4報告 過疎・高齢社会と食起業 加藤トキ子 145
 第5報告 FSC森林認証の森の恵み 矢房孝広 148
 パネルディスカッション 座長・関岡東生 151

第5章 Wood Job ルネサンスへの道─若者を山村、林業へ─ 159
 第1報告 山村で「働くこと」の意味 奥山洋一郎 161
 第2報告 西粟倉村百年の森林構想と起業家的人材の発掘・育成 牧大介 170
 第3報告 山と繋がる暮らしを目指して 金井久美子 177
 第4報告 Wood Job 3年目の現場経験から 齋藤朱里 184
 パネルディスカッション 座長・興梠克久 192

第6章 子どもと森のルネサンス─育てよう 地域の宝もの─ 201
 第1報告 都市と地域と子どもを繋ぐデザイン 若杉浩一 203
 第2報告 体験から学ぶ森と川のプログラム 井倉洋二 212
 第3報告 北海道の森の恵みを都会の子どもに 高橋直樹 219
 第4報告 保育園児への自然労作保育 福田珠子 226
 第5報告 人生の門出を木のおもちゃとともに! 馬場清 234
 パネルディスカッション 座長・山本信次 241

前書きなど

●「刊行に寄せて」から
 林業経済研究所は、とても真面目な研究所です。この小さな研究所は、第2次世界大戦後のまだ社会が混乱していた戦後期に生まれ、世紀を跨いで現在まで、こつこつと地道に月刊の学術誌『林業経済』を70年間発行し続けてきました。森林・林業・林産業・山村がテーマの論文が中心の真面目な雑誌が、世の中の急激な変化の中でも読者の支持を受けて毎月毎月新しい号を出し続けてきたのです。
 さて、この真面目な林業経済研究所の事業の中で、異色なのがシンポジウム事業です。研究所のシンポジウムは、毎年、国土緑化推進機構のご支援を受けて、主に東京大学を会場に開催してきました。不真面目なわけではありませんが、それまでの研究所のイメージをかなり変えたのが、2011年から始まったルネサンス・シリーズでした。この2011年という年は、「森林・林業再生プラン」という新しい政策パッケージが林野庁の主導で始まった年として関係者の記憶には新しいと思います。このプランは、スギ、ヒノキなどの人工林での木材生産にもっぱら焦点を当てたものでしたが、シンポジウムの企画を担当する研究所企画委員会のメンバーが議論した末にたどり着いた方針は、もちろん人工林での木材生産も大事ですが、森林や山村にはもっと多様な可能性があるはずで、それを掘り起こすことをこのシンポジウムでは多くの皆さんと一緒に考えよう、ということでした。そして、そこでのキーワードが「ルネサンス」でした。もともと、山村は、森林資源の多面的な機能を基盤に、多様な人々が行き交い、様々な種類の生業が成立するいきいきとした文化の場でした。その再興を、人間文化再興運動である「ルネサンス」にあやかって始めよう!という考えです。
 そして、シンポジウムでの大方針としたのは、①研究者中心ではなく現場で頑張っておられる皆さんに直接話していただくこと、②せっかく異なった現場から来ていただいているのだから、この場を参加の皆さんのぶつかり合い、そして融合の機会とするため、議論の時間はたっぷり取り、座長さんには大いに参加者間の議論を進めてもらうこと、③シンポジウムへの参加者は、いわゆる業界の方々にとどまらず、それぞれのテーマに関心をお持ちのなるべく広く一般の市民の方々に集まっていただく努力をすること、④シンポジウムのタイトルも、堅苦しいものはやめ、できるだけ多くの皆さんに理解してもらい親しみを持ってもらいやすいものにすること、でした。
 幸いなことに、このルネサンス・シリーズは、多くの方々からご好評をいただき6回も続けることができました。そして、今回、林業経済研究所の創立70周年記念事業にあたっては、記念事業担当の委員会から、ルネサンス・シリーズをまとめて書籍として発行することにより、これまで研究所の活動でお世話になった多くの皆さま、そしてこれまで研究所のことをあまりご存じでなかった全国の皆さんにも広く読んでいただくことが、研究所としてのお礼の事業としてふさわしいのではないかとの提案をいただきました。これはこれまでこのシンポジウムの企画を担当してきたメンバーとしてはまったく想像していなかったことで、望外の喜びです。そしてそれがこの企画に賛同し、現場での大変お忙しい活動を措いて、このシンポジウムにご参加いただいた報告者の方々への感謝の気持ちの表れになればよいなと思っています。
 さて、最後になってしまいましたが、読者の方々へぜひお伝えしたいことがあります。この本には、全国の森林・山村・木材関係の現場で頑張っておられる方々のいきいきとした声が詰まっています。ぜひそれを読んで元気になっていただきたいと思います。ルネサンス運動は、まずみなが元気になるところから始まります。元気になって、それぞれの現場で何ができるかを考え、できることから始めることからすべてが始まります。と同時に、テーマごとにたまたまの機会に集まった皆さんの、熱い議論を通じた考えの発展、思いの昇華のプロセスを楽しんでいただきたいです。議論することは、楽しく、おもしろく、そして役に立つことだ、ということをぜひ改めて感じていただけたら、企画者としてこんなにうれしいことはありません。
 なお、いきいきとした生の声を伝えることを目的としたことから、報告者の皆さんの肩書きは、その方が登壇された当時のものを使用させていただいています。また、最初のシンポジウムからはこの本の発行の時点で6年半の時間が経っており、様々な事情から当時の活動が残念ながら継続していない場合も出てきています。この点も「当時」を重視する立場から特に注釈等は付けていません。ご容赦いただきたいと思います。
2018年3月
一般財団法人林業経済研究所理事・企画委員長
「森林・林業・山村問題を考える」シンポジウム実行委員長
土屋 俊幸

担当から一言

林業経済研究所創立70周年事業として、連続開催したシンポジウムの成果をまとめました。現場で活躍している先駆者の生の声が詰まっています!