森と木と人のつながりを考える

 

都市近郊林の保全と利用

林地保全利用研究会(編)

A5判  418ページ 並製
定価 3,143円 (本体価格 2,857円)
ISBN978-4-88965-070-9 C3061
絶版

奥付の初版発行年月 1996年05月
書店発売日 1996年05月01日

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紹介

減少・荒廃・乱開発の危機にある都市近郊林を守るにはどうすればいいのか。豊富なデータと現地調査、有識者の座談会などで、今後の方向を展望しました。地方自治体の緑保全条例も網羅。

目次

第1章 都市近郊等における林地の保全・利用に関する提言(林地問題研究会報告書)
 はじめに
 1 林地問題の所在
 2 林地保全のための既存の制度的枠組み
 3 地方公共団体の現実の取組状況
 4 諸外国の土地利用制度の概要
 5 林地問題への対処の方向

第2章 座談会・都市近郊林等の保全に関する展望−林地問題研究会報告をめぐって−
 ≪出席者≫ 片桐久雄(農用地整備公団理事長)
       稲本洋之助(東京大学教授)
       榛村純一(掛川市長)
       池部允也(神奈川県足柄上地区行政センター農林部長)
       秋山清蔵(林業経営者、神奈川県在住)

第3章 森林及び緑地の保全・利用のための条例等の調査・分析結果

第4章 森林及び緑地の保全・利用等のための条例等のタイプ区分と代表事例

第5章 主な条例等(全文)
 1 現地調査を実施した地方自治体の条例
    ・掛川市生涯学習まちづくり土地条例
    ・淡路地域の良好な地域環境の形成に関する条例
    ・緑豊かな地域環境の形成に関する条例
 2 研究会で参考意見を聴取した地方自治体の条例
    ・市原市水道水源保護条例
    ・市原市不法投棄監視員制度に関する条例
    ・入間市樹林等の保護及び緑化の推進に関する条例
 3 タイプ区分別の条例等の代表事例
  (1) 都市的地域
    ・牛久市土砂等による土地の埋立、盛土及びたい積の規制に関する条例(茨城県牛久市)
    ・田辺町小規模開発指導要綱(京都府田辺町)
    ・千葉市環境評価の実施に関する指導要綱(千葉県千葉市)
    ・富士市土地利用事業の適正化に関する指導要綱(静岡県富士市)
    ・取手市緑の保全と緑化の推進に関する条例(茨城県取手市)
    ・大竹市土地開発行為指導要綱(広島県大竹市)
    ・熱海市都市景観条例(静岡県熱海市)
    ・有田市都市景観条例(佐賀県有田市)
  (2) 平地農業地域
    ・鉾田町土採取事業規制条例(茨城県鉾田町)
    ・安中市地域開発事業指導要綱(群馬県安中市)
    ・清里町自然環境開発事業の適正化に関する指導要綱(北海道清里町)
    ・大玉村開発事業指導要綱(福島県大玉村)
    ・栗沢町ゴルフ場開発業に関する要綱(北海道栗沢町)
    ・みどりの台地の環境を守り育てる条例(新潟県三和村)
    ・須賀川市開発事業指導要綱(福島県須賀川市)
  (3) 中間農業地域
    ・園部町開発事業等の規制に関する条例(京都府園部町)
    ・日生町開発事業の調整に関する条例(岡山県日生町)
    ・五日市町宅地開発等指導要綱(東京都五日市町)
    ・富良野らしさの自然環境を守る条例(北海道富良野市)
    ・長野原町開発事業等の適正化に関する条例(群馬県長野原町)
    ・阿児町の自然と環境の保全に関する条例(三重県阿児町)
    ・阿山町水道水源保護条例(三重県阿山町)
  (4) 山間農業地域
    ・旭町開発事業の調整に関する条例(岡山県旭町)
    ・奥多摩町宅地開発等指導要綱(東京都奥多摩町)
    ・六合村小規模土地開発指導要綱(群馬県六合村)
    ・春野町土地利用事業の適正化に関する指導要綱(静岡県春野町)
    ・美津島町リゾート開発取扱要綱(長崎県美津島町)

前書きなど

 平成6年7月に林野庁長官の主催する研究会として発足した林地問題研究会は、1年3ヵ月にわたる審議を経て昨年9月に終了し、その審議結果が「都市近郊林等における林地の保全・利用等に関する提言」として取りまとめられました。
 何故、今、林地問題の検討が行われたのかといいますと、1.都市近郊を中心とした森林の急激な減少が進みつつあり、2.周辺の自然環境や生活環境に重大な影響を及ぼすことが懸念され、これに対して3.国の諸制度に加え、地方公共団体による積極的な取り組みが行われているにもかかわらず、4.林地の開発に係る規制や指導に限界があって、5.新たな対応が必要とされているのではないかといった問題意識が契機として挙げられています。
 このような問題意識に基づき、林地問題研究会においては、既存の法制度の検証、現地調査、都市近郊の首長からの実態報告に加え、諸外国の事例調査も含め多方面からの審議が行われるとともに、林野庁が初めて行いました、地方公共団体の林地の保全を目的に制定した条例等に関する悉皆調査結果についても詳細な分析・検討が行われました。
 当提言は、昨年の10月に公表されましたが、地方公共団体等の制定している条例等の分析結果及び代表的な条例の条文については、データとして極めて貴重であるにもかかわらず分量が極めて膨大なため、林地問題研究会委員及び一部の林業関係団体等に限定的に配布されるに留まっていました。
 このため、これらの成果を広く関係者に普及していくべきであると考え、当研究会で監修を行い、出版することとしたところです。
 林地を含めた土地の流動化は、景気の低迷等から停滞傾向にありますが、都市における宅地の絶対的な不足、生活環境の悪化等の土地問題が根本から解決された訳ではなく、今後とも林地の適時・適切な保全・利用のあり方についての検討を不断に行っていかなければならないものと考えています。
 当書が、地方公共団体等において、林地を含めた土地利用全般にわたる検討を行う際の参考資料としてご活用いただけるようお願いし、発刊の辞といたします。

平成8年4月 林地保全利用研究会

著者プロフィール

林地保全利用研究会(リンチホゼンリヨウケンキュウカイ)

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上記内容は本書刊行時のものです。

3,143円
(本体価格 2,857円)

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