不況の合間に光が見えた!
新しい国産材時代が来る
遠藤日雄(著)
四六判 206ページ 並製
定価 2,096円 (本体価格 1,905円)
ISBN978-4-88965-201-7 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月 2010年07月 書店発売日 2010年07月05日
解説
「100年に一度」の不況を打開する道はこれだ! 様変わりする国産材業界の最新事情がすべてわかる!
紹介
「100年に一度」の不況を打開する道はこれだ! 様変わりする国産材業界の最新事情がすべてわかる!
目次
はじめに―霧の合間に何が見えるのか?― 3
第1章 大手住宅メーカーの国産材シフトが始まった 13
タマちゃん・キムタク・国産材 15
構造材にはムクでなく集成材を採用 17
フル稼働に入った量産工場、中には4交代も 22
大手住宅メーカーが一斉に国産材を採用 24
国有林と大型量産工場が大きな役割 29
主人公と主人公の「影」 31
第2章 「束の間の国産材時代」から見えたもの 35
国産材シフトの背景にあるもの 37
10年間で「国産材県」が倍増 38
2007年に「束の間の国産材時代」を実現 41
日本に責任はない!! 42
新たな変化は2006年秋に起こった 44
特定品目だけが値上がり、スギは蚊帳の外 47
ロシア材に依存してきた日本の合板・製材業 49
世界的資源インフレと膨大な木材需要の発生 53
強烈なチャイナ・インパクト 55
資源ナショナリズムの兆し 56
木材が第二次世界大戦の引き金に? 59
スギ立木価格が17年ぶりに上昇 61
第3章 大型化する国産材製材工場 67
世界経済同時完全好況をもたらしたもの 69
世界レベルで製材規模拡大 70
日本と欧米の違い 73
欧米システムを導入した佐伯広域森林組合 75
製紙用チップに依存しないビジネスモデルが必要 79
ラミナ挽き量産工場の台頭 83
6万m3以上の国産材製材工場が3倍に 88
「スギ中目材問題」の新しい解決方法 89
規模拡大が進んだ背景は? 91
スギ芯持ち柱角のKD化にメド 94
第4章 充実する森林資源を使いこなせるか 97
深刻化するスギ大径材問題 99
太くなっても価格は上がらない 101
大径材の需要拡大にチャレンジ 106
小径木利用の可能性 108
規模拡大でA材価格はアップしたのか? 109
合板・集成材用のB材丸太価格が倍に 111
東欧・ロシアが台頭してきた欧州産地 114
H・シュバイクホファー社の対日輸出戦略 115
集成野縁を日本に大量供給 118
スギのFJ、LVL野縁で対抗 121
中小規模製材業者が生き残る道は? 121
トーセンの「母船式木流システム」に注目 124
乾燥しやすいスギ、製品化に適しているスギが選ばれる 126
原木市売市場の新しい役割 128
丸太をトラックに積んだまま材積を測定 130
第5章 山側が解決すべきこと 133
「見える手」と「見えざる手」 135
外材は上がってもスギは音無し 137
「見えざる手」をゆがめる再造林放棄 141
私有財産処分に追い込まれる現実 143
価格が下がるほど生産量は増える 145
1万5,000円/m3が分岐点 147
だぶつく丸太と製材品 149
素材生産量の4~5割が「官製伐採」 152
長伐期とチョーバッキ 155
1980年で役物バブルが崩壊 156
再び外材依存時代に突入か? 159
「正義の法」としての森林法 161
市町村長に与えられた強い権限 162
本当のルールブックは市町村森林整備計画 165
普通林では100haの皆伐が許される? 166
大分県が独自に伐採面積の上限を決める 168
日本の林業は産業ではない 169
「需要と結びついた伐採特区」構想 170
山に金を返せる仕組み 173
がんばろう国産材 175
第6章 不況という霧の先にあるもの 177
丸太消費量5万m3以上は九州だけで11工場 180
スギ中目材丸太が1万4,000円/m3に上昇 183
柱取りから中目丸太へ、プライスリーダーの交代 185
間柱とラミナの互換性が加速 187
国産材製材規模拡大が丸太価格上昇につながる 188
宮崎では生産性がアップ、秋田はダウン 190
高い丸太、安い製品を技術革新でカバー 194
新たなビジネスモデル形成の気運 196
素材増産体制の構築が急務 198
「束の間」から「真の国産材時代」へ 199
あとがき 201
前書きなど
はじめに――霧の合間に何が見えるのか?――
不況という「霧」がなかなか晴れません。
しかし、私たちは霧が晴れるのをじっと待っているわけにはいきません。経済はつねに循環しながら成長しています。不況は次の好況局面への準備期間です。古いものが消え去り、新しいものが芽生えてくる。不況の真っ只中だからこそ、その変化の一端が見えるはずです。霧の合間、合間に見えるものを整合させながら、霧が晴れた後、おそらくこうなるだろうという仮説を立てる作業、それが今私たちに求められているのではないでしょうか。
それではこれから、霧の合間にいったい何が見えるのか? 消え去りつつある古いものとは何なのか? その一方で、芽生えつつある新しいものとはいったいどういうものなのか? それらを整合するとどのような輪郭が浮かびあがってくるのか? それを一緒に考えていきましょう。
版元から一言
「100年に一度」の不況を打開する道はこれだ! 激変する国産材業界の最新事情がすべてわかる!
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