コモンズと地方自治
財産区の過去・現在・未来
泉 留維(著/文 他) / 齋藤 暖生(著/文 他) / 浅井 美香(著/文 他) / 山下 詠子(著/文 他)
A5判 233ページ 並製
定価 2,619円 (本体価格 2,381円)
ISBN978-4-88965-209-3 C0061
在庫あり
奥付の初版発行年月 2011年08月 書店発売日 2011年08月03日
解説
3,710にのぼる「財産区」の実態を明らかにした初めての書。地域資源の活用策を探る。
紹介
3,710にのぼる「財産区」の実態を明らかにした初めての書。地域資源の活用策を探る。
目次
第1章 財産区から迫る日本のコモンズ 7
第1節 いまなぜコモンズなのか? 7
第2節 コモンズとしての財産区 10
第3節 本書の目的と構成 14
第2章 財産区の歴史をひもとく 17
第1節 多様な地域資源の管理 17
第2節 財産区制度の沿革 23
第3節 財産区に関する規定の変遷 32
第3章 今を生きる財産区 45
第1節 財産区制度の概要 45
第2節 財産区の財務状況について 49
第3節 財産区と入会集団との矛盾 52
第4節 事例から見る平成の大合併と財産区 54
第5節 財産区と認可地縁団体 58
第4章 悉皆調査から見る財産区の現況と分析 61
第1節 財産区の現況 61
第2節 平成の大合併と財産区 72
第3節 市町村における財産区担当部署 77
第5章 財産区を活かす道 81
第1節 財産区の地域コミュニティにおける役割 81
第2節 これからの財産区のあり方 85
資料編
Ⅰ 都道府県別アンケート結果 88
Ⅰ-1 都道府県別財産区数 88
Ⅰ-2 主たる財産の種別 90
Ⅰ-3 機関の設置状況 92
Ⅱ 財産区別財産一覧 93
Ⅱ-1 運営中の財産区 93
Ⅱ-2 解散した財産区 211
Ⅱ-3 平成の大合併に伴い新設された財産区 214
Ⅲ 本悉皆踏査と総務省2種の調査結果の比較 216
解 題 北條 浩 219
参考文献 223
あとがき 227
プロフィール 231
前書きなど
まえがき
地球環境問題への対応が迫られ、自然資源の持続可能な管理と利用が求められる中で、日本社会に息づいていた「入会」をはじめとするローカル・コモンズ(local commons)を、現代、そして未来に引き継いでいくことがますます重要になっている。
しかし、日本にはさまざまなローカル・コモンズがあり、その実態を正確に掴むことは難しい。ローカル・コモンズへの注目度が高まっているにもかかわらず、土地や人と結びついた、いわば”地に足のついた”議論を行いづらいというもどかしい現実が横たわっている。
本書は、こうした現状を打開すべく、ローカル・コモンズの中でも特に地方自治・行政とかかわりの深い「財産区」に焦点をあて、その歴史と現状を明らかにし、将来展望を試みたものである。「財産区」の実態を掴むために、全国1,827自治体を対象にアンケート調査を実施し、1,795自治体(回収率98.3%)から回答を得ることができた。その結果、全国に散在する3,710にのぼる「財産区」の”素顔”を多少なりとも知ることができた。
本書に収録されている論考と各種データが、今後の望ましい「コモンズと地方自治」の関係を構築する一助になれば、これに過ぎる幸せはない。
著者プロフィール